このページの本文へ

【WORLD PC EXPO 99 レポート Vol.9】注目を集めるPower Mac G4とFinal Cut Pro日本語版

1999年09月08日 00時00分更新

文● 千葉英寿

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

本稿ではアップルブースから、『Power Mac G4』と『Final Cut Pro日本語版』を紹介する。

グラフィック系ユーザー注目のPower Mac G4

プロフェッショナル/アマチュアに関わらず、グラフィック系ユーザーの注目を集めていたのは、なんといっても国内初お目見えとなったアップルコンピュータ(株)の『Power Mac G4』だ。

Power Mac G4は、最高4G flopsという処理能力を持つ演算ユニット“Velocity Engine(ベロシティ・エンジン)”が生み出すスピードを最大の特徴とする。さらに、16MBのSDRAMグラフィックメモリーを搭載した『ATI RAGE128』を内蔵しており、グラフィック系のプロユーザーにとって最適なマシンのひとつと言えるだろう。短納期から超短納期、DTPからウェブへと作業領域が拡大し、作業のさらなる効率化を求められているパブリッシング/グラフィック分野にとって、この上もないパフォーマンスを提供するものだ。

 “オープンドア哲学”は健在、PowerPC G4のヒートシンクが目立つ。手前にはAirPortカードのスロットがある
“オープンドア哲学”は健在、PowerPC G4のヒートシンクが目立つ。手前にはAirPortカードのスロットがある


職場にも導入できるデザイン

Power Mac G4の筐体デザインは、ブルー&ホワイトのPower Mac G3とそれほど変わらないが、もっとも異なる点がそのカラーリングだろう。トランスルーセントなイメージはそのままだが、クリアなシルバーとグラファイトを使用した落ち着いたカラーリングに変わった。また、Power Mac G3では側面に“G3”という大きな透かしロゴがあったが、Power Mac G4ではなくなっている。

展示会場の照明による効果もあるだろうが、ちょっと見た感じでは落ち着いているように見えるカラーも、実は意外に美しく光る部分もあり、見る者を楽しませてくれる。悪く言えば地味だが、クールだったり、シックだったりと多彩な顔を見せてくれるデザインに仕上がったといえるだろう。

来場者からは、「これまでの(Power Mac G3)は、ある意味で派手なデザインで、“職場にはちょっと”という感じだったけど、これなら心配なく導入できますね」(製版会社勤務)という声が聞かれた。確かに、日本のユーザーにはブラックやシルバーを好む傾向があることや、Power Macが出版や印刷といったビジネスの現場で使われていることを考慮すれば、この筐体デザインはよい傾向であると言えるだろう。

内蔵FireWireポートのサードパーティー対応に期待

デザインについては、それほど大きな変化がないようだが、肝心の中身はどう変化したのだろう。アップルコンピュータ(株)の鯉田潮氏は、「メモリーのスロットなど、これまでのPower Mac G3とマザーボードの設計にあまり違いはありません。大きな違いはなんといってもPowerPC G4が搭載されていることです」と、キープコンセプトな設計であることをほのめかす。

また、「外部に向けて設けられた2基のFireWire(IEEE1394)ポートのほかに、内蔵のFireWireポートが1基あります。これについては、サードパーティーさんで内蔵のボードを作っていただけるのを期待しています」と、標準搭載のFireWireポートをアピールしていた。

それに加え、「iBookとともに発表になった、ワイヤレスネットワーク“AirPort”カードのスロットが設けられているのも、大きな違いですね」とも語った。

広大な作業スペースを提供するApple Cinema Display

Power Mac G4と並んで、そのベストパートナーとして出品されているのが、22インチのスクリーンを持つ液晶ディスプレー『Apple Cinema Display』だ。デザインは、Power Mac G4にあわせたカラー。販売については、Power Mac G4 450MHz/500MHzとの組み合わせによるUltimateモデルとして、AppleStoreだけでの限定販売となる。

Apple Cinema Displayで、Adobe Illustratorを試用する来場者
Apple Cinema Displayで、Adobe Illustratorを試用する来場者



Final Cut Pro日本語版は年内にも発売か?

アップルのブースでは、同社のデジタルビデオ編集ソフト『Final Cut Pro』のデモも行なわれていた。日本語化は進んでおり、出品されていたのも日本語版だった。同社の鈴木・ロウ・トーマス氏は、「年内にはご提供したいと考えています」と語り、'99年中のリリースを匂わせた。

Final Cuts Pro日本語版のデモはα版とのこと。動画を編集する際に動かしたい画像をドラッグすると、行なうべき操作の指示がドロップする側の画面に半透明のボタンとなって現われる
Final Cuts Pro日本語版のデモはα版とのこと。動画を編集する際に動かしたい画像をドラッグすると、行なうべき操作の指示がドロップする側の画面に半透明のボタンとなって現われる



会場では、プロユースのビデオデッキを接続したデモと、民生用のデジタルビデオカメラを接続したデモがそれぞれ行われていた。デジタルビデオカメラのほうはさすがにスイスイとは行かないが、プロユースでのデモについては、作業現場に導入できるレベルの高速な処理を見せていた。ちなみに「Windows版の予定は?」という質問に対しては、「面白い質問ですね」とアッサリ切り返された。

プロユースのビデオデッキを接続したデモ
プロユースのビデオデッキを接続したデモ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン