(株)技術評論社は、「Vine Linux 2.0 CR Official製品版(以下Vine Linux 2.0 CR)」を3月17日から発売開始する。
「Vine Linux」は、Linuxの日本語環境構築パッケージ「PJE」の元開発メンバーなどにより構成された「Project Vine」の開発する、日本語環境に定評のあるディストリビューション。価格は9800円。また、「Vine Linux 1.1CR Official製品版(以下Vine Linux 1.1 CR)」「Vine Linux 1.1 CR with Wnn6」の登録ユーザーに対してのみ行なわれるバージョンアップ版(直販のみ)の価格は6000円。
今回のリリースの特徴は、前回のリリースである「Vine Linux 1.1 CR」では「Red Hat Linux 5.2」がベースとなっていたものを、「Red Hat Linux 6.1」ベースにしたことや、GNOMEとKDEが正式にサポートされたことなどで、メジャーバージョンアップにふさわしい内容となっている。
今回エンドユーザーにとって最大のメリットは、GNOMEとKDEが正式にサポートされたことだろう。どちらもメニューやダイアログなどのメッセージは日本語化されている。また、「Vine Linux 1.1 CR」でデフォルトのデスクトップ環境であったWindow Makerも収録されていて、GNOMEとKDEとWindow Makerを同時にインストールした場合には、ログイン時のwdmの画面でどのデスクトップ環境を立ち上げるか選択可能になるという。
また、「Vine Linux」には、今回リリースされた製品版と、ftpサイトからダウンロード可能なフリー版が存在するが、フリー版は、
- Wnn6 Ver.3
- Dyna Font 和文5書体
- 一太郎 Ark for Java Technology Preview
- サイボウズOffice3
などの商用ソフトウェアや体験版が収録されていない。フリー版がftpサイトからダウンロード可能になる時期は現時点では未定とのこと。
「Vine Linux 2.0 CR」の主要コンポーネント/ アプリケーションの変更点(※1)
Vine Linux 1.1 CR | Vine Linux 2.0 CR | |
---|---|---|
kernel | 2.0.36 + vfatjp patch | 2.2.13 + vfatjp patch |
glibc | 2.0.7 + wcsmbs-locale | 2.1.2 + ja locale |
XFree86 | 3.3.3.1 + XTT 1.2 | 3.3.6 + XTT 1.3 |
KDE | 1.1.2(新規) | |
GNOME | 1.0.5x(新規) | |
Netscape Communicator | 4.08 | 4.71 |
Emacs | 19.34(Mule) | 20.4 |
XEmacs | 21.1.6(新規) | |
Wnn6 | 3.0(新規) |
GNOMEのデスクトップ |
KDEのデスクトップ |
Window Makerのデスクトップ |
「Vine Linux 2.0 CR Official製品版」パッケージ |