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Sendmail開発者 Eric P.Allman氏インタビュー

2001年01月11日 12時48分更新

文● 吉川

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[日刊アスキー] それでは少し質問させていただきたいと思います。技術的なことではないかもしれませんが、「MTAの設定ではなく、Sendmailの設定そのものが煩雑で難しい」といったことがよく言われます。9では、それについての回答があるのでしょうか?
[Allman氏] それは8.xにおいても、商用版で回答しているということになります。商用版ではウィザードベースで、MTAの役割りによって設定ができる、といったことが可能になります。それによって、マネージメントの一部としてレポートや監視機能がついています。オープンソースでこうした管理機能に答えるというよりも、商用版でお答えするということになっています。
[日刊アスキー] では、商用版とオープンソースのSendmailの違いは、管理機能にあると考えてもよろしいでしょうか?
[Allman氏] それは違いのひとつに過ぎません。商用版で今説明しましたのは、「Sendmail Suite」というルーティングの機能を持たせたものですけれども、商用パッケージの「Advanced Message Server」というものは、POP、IMAPの機能を持ったホスティングをも行ないます。今までのSendmailの“MTA”という部分をさらに広げて、ホスティング/IMAPの機能を持ったトータルなソリューションということです。そして、Advanced Message Serverに加えまして、「Sendmail Mobile Message Server」というWebメール製品も加えられ、部分的なソリューションであったSendmailがMTAのスイートといった形になっています。
[日刊アスキー] Sendmailの活用事例として、目に止まったSendmailの使い方などがあったら教えていただけますか?
[Allman氏] もともと電子メールは人対人のコミュニケーションだったのが、ニュースレターの配信もできるようになってきました。メールの初期の頃というのは、やり取りに関するプログラム、たとえばアラートをするプログラム、メールを受け取ったときに動くバケーションプログラムなどもありました。 人が想像できることがあるものがあるとすれば、それは実現できると思います。
[日刊アスキー] Sendmailの開発者の中では、アーキテクチャについてどのような議論が交わされているのでしょうか?
[Allman氏] それを1つ挙げるのは難しいですが、思いついたのは、Microsoftのアプリケーションは、ほかの同社の表計算やワープロ、プレゼンテーションソフトがうまく共通して働くことができる。それは、Microsoftがすべてをコントロールしているから可能になると思います。それに較べてオープンソースのコミュニティというのはまだまだ必要とされる協力のレベルが十分ではない。つまり、Microsoftの製品と同じようなことをするためには、まだ足りないと思います。私たちがオープンソースの開発の中で十分に協力して作業を続けることができない限りは、Microsoftのような成功は収められないのではないかと思います。
[日刊アスキー] 今後はそうした協力関係/アプリケーションの使いやすさというのは、改善されていくのでしょうか?
[Allman氏] 現在考えもしないようなインターオペラビリティの問題は起きてくると思いますが、今ある互換性の問題は解決されると思います。
[日刊アスキー] ありがとうございました。

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