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Sendmail開発者 Eric P.Allman氏インタビュー

2001年01月11日 12時48分更新

文● 吉川

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今私が取り組んでいるのは、Sendmail 9です。

Sendmail 9は、今までのSendmailとはアーキテクチャをまったく異なるものにして、最初から構築しなおしました。まだどの程度の大きさのソフトウェアになるのかもわからないし、いつリリースできるかも不明です。ただ、来年は無理でしょう。

これまでSendmailは20年間使われ続けてきましたが、このSendmail 9は今後20年間使っていけるアーキテクチャを目指しています。それが再構築をする目標です。こうしたことを念頭に

  • パフォーマンス
  • セキュリティ
  • スケーラビリティ
  • フレキシビリティ

を全部向上させて行こうと思いますが、Sendmailを使う人は当然信頼性も求めていると思いますので、その信頼性を損なうことなく、向上させていきたいと思っています。

Sendmail 9を作ろうとした際に思ったことは、「この世に唯一無二のMTAなどない」ということです。使う人によってはメールボックスを拡張する必要が出てくる場合もあるでしょうし、インターネットで銀行の明細書がやり取りされるようになると、メールのボリュームそのものが上がってくるでしょう。そうやって、異なる場所で異なる要件が上がってきますので、それにたった1つのMTAで対応するのは不可能だとわかったのです。

Sendmail 9は、内部的なインターフェイスを用意して、そこにさまざまなモジュールを追加して機能拡張できるようにしていきたいのです。ですから、「Sendmail 9」というのは、MTAそのものではなくて、MTAを構築するためのフレームワークだといえるでしょう。

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