残り時間は質疑応答にあてられ、熱心な参加者からの質問が相次いだ。以下、その概略である。
[Q] VA LiNUX Systemsは優れた開発者を採用しているが、開発者の行方はどうなるのか。有名人になった開発者の取り合いが起こるのでは?
[Larry M.Augstin氏] 専門知識というのは、開発者が持っている。そして、すでに奪い合いは発生している。オープンソースのプロジェクトでは、キーとなるコアな人間を採用すべきだ。
[Q] オープンソースでは、企業がコストをかけて作らせたものでも、ほかの企業が自由に使うことができる。たとえば、ブランド力が高くて有名な企業が、どこかのディストリビューションのソースをコピーしてきて独自のディストリビューションを作ったら、有名な企業の製品のほうがメジャーになるだろう。オープンソースが崩壊するのでは?
[Larry M.Augstin氏] お客さんは、サポートを期待している。お客さんはソフトウェアをサードパーティから買うこともできるが、コードを理解していて、そのコードを書いたところから買うこともできる。どちらを買うだろうか? いままでの経験からすれば、しっかりとしたサポートのできる、大元のほうに顧客は流れていく。実際にサポートのできるところにいくのではないだろうか。
[Q] オープンソースのコミュニティと、ビジネスの話は、あまり合わないように聞いていた。状況はどのように変わってきたのか? 苦労話をお願いします。
[Larry M.Augstin氏] Bob Young(米Red Hat社長兼CEO)が「不思議だ」と言っていた事象の1つに、無償で配ると、その分(パッケージが)たくさん売れる、ということがあった。オープンソースの世界で重要なことは、ビジネスモデルの見方というのを変えなければならないということ。オープンソースというものを従来型のビジネスにあてはめては、うまくいかないと思う。
