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VA LiNUX Systems社長兼CEO、Larry M.Augstin氏の講演

1999年10月04日 05時43分更新

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 LinuxWorld Expo/Tokyo'99で、VA LiNUX Systems社長兼CEOのLarry M.Augstin氏が、「ビジネスへのオープンソース開発テクニックの利用」というテーマで講演を行なった。

VA LiNUX Systems社長兼CEOのLarry M.Augstin氏

なぜオープンソースソフトウェアが勝利したのか

 Augstin氏はまず、なぜオープンソースソフトウェアが勝利したのか、という面に触れた。それによると、

優れたソフトウェアの登場
オープンソースでは、多くのソフトウェア開発者やデバッグを行なう人間を確保することができ、結果優れたソフトウェアを作ることができる。
選択の自由
ソース公開により、Linuxにはサプライヤが複数存在可能となり、ユーザーに選択の自由が与えられた。Windows NTのサプライヤはMicrosoft1社のみであり、MicrosoftがNTの問題を解決しない限り先に進むことはできないが、Linuxの場合は(いままで付き合ってきた)サプライヤが対応してくれなければ、ほかのディストリビューションに乗りかえることができる。
コストが低い
オープンソースソフトウェアというのは確かにお金がかからないが、重要なのは「取得するコスト」ではなく、90%は、TCOである。オープンソースの開発モデルの特徴は、開発者の数が多く、それを見直す人間の数も多いこと。この人数は、1社では抱えきれないほどの数だ。Microsoftよりも多くの開発者を活用することができる。

といった面があげれたが、そのほか、ソースコードが公開されることにより、優れたコードのみが生き残るのも、オープンソースの利点であるとした。

ソフトウェア産業にとっての影響は?

 ソフトウェア産業に対するオープンソースの影響に話が及ぶと、大企業が多大なリソースを費やしてOSを作っているが、オープンソースでは、大手の企業ではないコンシューマも開発に参加できる、とし、「こういう公演をするとき、私はいつも言っています。『ぜひソースを見ていただきたい。そして手を加えていただきたい』」と、オープンソースへの参加を呼びかけた。

 そして、公開されるソフトウェアの質に話が及んだ。オープンソースの場合は、ソースが公開されてしまうので、いい加減なものや不出来なソフトウェアを公開することはできなくなってくる。また、ソースコードを何100万人といった人間が見るので、バグを見つけてくれる。品質上の問題を解決するためにもオープンソースは役に立ち、そのためにもLinuxが評価されているということだ。そして、個人の開発者の比重が高くなるという。たとえば、「誰もWindowsをコーディングした人の名前は知らないが、Linuxを開発した個人の名前はわかる」というわけだ。

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