2009年3月3日、mixiは5周年を迎えた。
日本のゼロ年代を象徴するキーワードでもある「コミュニティー」文化を広め、重要なコミュニケーションツールとなったmixi。その根幹にあるのは、「インターネットでリアルな人間とつながり、そこから新たなコミュニケーションが生まれる」というまったく新しい「人同士のつながり」だった。
サービスインから5年が経過した今、その「つながり」、そしてコミュニケーションも新たな段階を迎えようとしている。昨年11月にもオープン化を表明したばかりの同社。これまでのmixiはどうだったのか、そしてこれからのmixiはどうなっていくのか、笠原氏が明かした。
無事に5年経って「ほっとした」という感触
―― 5周年を迎えられて、いかがですか。
笠原 長いような短いような……実感がまだ沸いていないですね。mixi自体はまだ始めて間もないという感覚でいたので、それでも5年経ったということを考えると長いですね。無事に迎えられたなと、ほっとしています。
ユーザーも、直近では約1600万人を数えました。20代に限って言えば、日本人口の55%が入ってくれているという状況です。数字上は、2人に1人は必ず入っているという。本当にありがたいことだと思っています。
―― 社員数も280人強と多く、一般的には「大企業」に分類されると思います。5年前と今とでは、社員の「仕事」に温度差を感じることはありませんか。
笠原 基本的には「ものづくり」に向かう姿勢が根本にあるので、そう変わらないと思います。みんなで楽しいものを作っていこうという。コミュニケーションにしても、月例会をやったり、3ヵ月に1度は納会をやったりと、一般企業と同じレベルですね。やはり特別に新旧での隔たりというのは感じていません。
―― はてなブックマークやTwitterなど、ライバルも増えてきましたね。
笠原 はてなブックマークは自分も毎日のように見ていますし、単純にユーザーとして面白いなと思っています。各サービスが「何を考えてこういう仕様になっているんだろう」だとか、ユーザーが「どんな仕掛けに反応しているんだろう」というところはいつも気になって見ていますね。
―― 「ユーザーとして見る」あたり、笠原さんはどちらかと言えば経営者というよりも開発者目線で物事を見ているように感じます。最近「徹底抗戦」を出版した堀江貴文元社長も、開発者目線での経営をしていたように感じます。
笠原 将来的にはまたIT関係の新サービスを始めて欲しいですよね。やっぱり開発者としてもそうですが、経営者としてもあの決断力には惹かれるところがあります。インターネットの動向もしっかり把握されていますしね。