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松村太郎の「デジタルとアナログの間」 第6回

松村太郎の「デジタルとアナログの間」

ソフト開発を「できない」から始めない──木下誠氏

2008年12月21日 12時00分更新

文● 松村太郎

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ゲスト●HMDT 代表取締役 木下誠氏

HMDT 代表取締役。著書に「たのしいCocoaプログラミング Leopard対応版」(BNN新社刊)などがある(Amazon.co.jp)。学生時代にMacと出会い、2000年よりウェブサイト「HMDT」でMacによるプログラミングの紹介などを始め、2007年にHMDTを設立。現在はウェブブラウザー「シイラ」プロジェクト、さまざまな企業とのコラボレーションによるiPhoneアプリケーション制作などを行っている



針のない新しい時計のカタチ

 最近、毎日のように「iPhoneはどんなケータイですか?」と聞かれる。僕は決まって「iPhoneはヒトのようなケータイ」だと答えている。それは、iPhoneが追加するアプリケーションによってさまざまに変化し、世の中に同じiPhoneは存在しないと思わせるほどの多様性を見せているからだ。


 iPhoneアプリケーションを多数手がけ、オリジナルブランドとして「Orb Clock」をリリースしたHMDTの木下誠氏は、iPhoneを「より制約を考えなくていいコンピューター」と評す(iTunes Store)。


木下氏  時計は針で時間を表してきました。文字盤上で針が回るのは妥当なことですが、コンピューターのディスプレーはそれにとらわれる必要がない。長針と短針の穴で時間を表してみたら面白そうだ、と考えました。周期的な動きをしながらカオティックな形状になります。そしてこれは物理的には実現が不可能なんです。


Orbclock

 これまでも、デジタルのディスプレー上で針式の時計を再現することは試みられてきた。その表現にも魅力はあるが、せっかくデジタルで自由な表現ができるのだから、アナログの再現にこだわる必要はないはずだ。OrbClockは、そんな出発点から生まれたHMDTが誇るグッドデザインなユーティリティーなのである。


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