このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

キヤノン開発者インタビュー

EOS 5D Mark II:画作りと動画搭載について聞く

2008年12月24日 14時04分更新

文● 吉田陽一・西川仁朗/トレンド編集部、撮影●パシャ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
今回お話を伺った企画・開発メンバーの方々

今回お話を伺った企画・開発メンバーの方々

 キヤノンから11月末に発売されたハイアマチュア向けのフルサイズ一眼レフカメラ「EOS 5D Mark II」。高画素化を果たし、動画機能まで搭載した同製品について、企画/開発に関わったメンバーにお話を伺った。

3年の熟成の理由は?

──先月発売されたEOS 5D Mark IIですが、高画素と高画質に加え今回フルHD動画対応ということで機種の方向性が広がった、と思います。本機の開発意図について聞かせてください。

カメラ商品企画部加藤 雅之氏

カメラ商品企画部加藤 雅之氏

加藤 企画背景をお話します。キヤノンではプロ用のフルサイズ機としてEOS 1Dsを2002年にリリースしました。ハイアマチュアの方からもフルサイズについての要望が高く、EOS 5Dを2005年に発売しましたが、EOS 5Dは市場から高評価を得たと考えています。今回EOS 5D Mark IIでは、そのEOS 5Dの画質と使い勝手をさらに改良しつつ、動画も含めて進化しています。

 例えば、高感度特性の強化や液晶ディスプレーの視認性を向上させています。また、ハイアマチュアの方はファインダー視野率を重視される方が多いので、EOS 5Dの視野率96%から今回は視野率98%にしています。

 デジタル一眼レフの動画機能については、他社が先でしたが、フルHD対応は本機が最初です。

──EOS 5Dから3年も間が空いた理由はなんでしょうか。

カメラ開発センター所属でメカ担当の中野晋吾氏

カメラ開発センター所属でメカ担当の中野晋吾氏

中野 センサー・エンジンなど要素開発も含めて、今回はこのくらいの時間が掛かってしまったということです。

──開発期間はどのくらいだったのでしょうか。

加藤 様々な要素があり、具体的に何ヵ月というのはお答えできませんが、一般的な話として早くしていかないといけないと考えています。 また、商品開発としては製品発売直後から市場の動向を見ています。ユーザーからのフィードバックは早く反映するようにしています。

──競合各社が今年の夏くらいから一斉に35mmフルサイズ機をリリースし始めましたが……。

加藤 EOS 5Dの反響からも分かるように、ハイアマチュアの方のフルサイズに対するニーズは非常に高いと思っております。

──どのようなユーザーに使ってほしいでしょうか。

加藤 まずは画質に強いこだわりをもつハイアマチュアの方、特にフィルムの感覚を活かして撮りたい方に。中級機からのステップアップを考えているユーザーにも使ってほしいですね。

──すでに入手されたユーザーの声はいかがでしたか。

中野 カメラマンの方からは(高画素化に伴い)撮影データのサイズが大きすぎるという声をいただきました。ただ、中判カメラを使っていたカメラマンの方からは好意的な評価でした。

──本機は中判カメラの能力を超えた、という意見もありますが……

カメラ開発センター所属で画像担当竹内 義尊氏

カメラ開発センター所属で画像担当竹内 義尊氏

竹内 画質では中判カメラに迫り、機動力では中判カメラを上回ったと考えています。トータルな使い勝手では優位に立っていると思います。

(次ページへ続く)

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン