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ソフトバンクがいち早く採用を発表!

ゼタバイト時代を支えるシスコ「ASR 9000」の実力

2008年11月12日 06時00分更新

文● 大谷イビサ(ネットワークマガジン編集部)

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最大6.4Tbpsの処理能力と ビデオコントロール

 Cisco ASRシリーズは、長らくキャリア向けの製品として提供されてきたCatalyst 6500やCisco 7200/7600などのシャーシ型スイッチ・ルータの地位を受け継ぐ同社の新世代のルータ。「Quantum Flow Processor」と呼ばれるパケット処理専用のプロセッサと、同社のハイエンドルータ「CRS-1」用に開発されたモジュール型のノンストップOS「IOS-XR」の搭載が大きな売りとなっている。

 第一弾として、シスコは今年の3月にユーザーの回線を束ねるエッジルータとして「Cisco ASR 1000」を発表。「既存のCisco 7200シリーズの160台に相当する」伝送能力を売りにしており、NTT東西のNGNにも採用されることが発表された。そして、ASR 1000などのエッジルータのバックエンドでEthernetのインフラを構成するのが、今回発表されたのがASR 9000である。

 ASR 9000の最大の特徴はやはりスロット単位で最大400Gbps、総容量最大6.4Tbpsという伝送能力である。これには前述したQuantum Flow Processorが大きく寄与している。また、ビデオアプリケーションを最適化するため、スロットごとのQoS(Quality of Service)能力が拡充されるほか、キャッシングやエラー修正などビデオ配信専用の高度なサービスを提供する「Advanced Video Service Module(AVSM)」などが内蔵される。

ビデオアプリケーションの充実がアピールされた

ビデオアプリケーションの充実は特にアピールされた

 さらに、サービスプロバイダ向けのサービスルータということで、光波長多重技術(DWDM)や4Gと呼ばれるモバイルインフラに採用される同期Ethernetなど豊富なサービスに対応している。

 筐体(ユニット)は10スロットのモデルのほか、小型の6スロットモデルが用意されている。本体の電源は6つにモジュール化されている。処理負荷に合わせて、数を調整できるという仕様になっており、省電力化にも寄与する。また、ユニットに差し込むカードはメインのCPU部にあたる「Route Switch Processor」を中心に、10Gbps対応のラインカードが3種類用意されている。

 冗長化されるRoute Switch Processor

冗長化されるRoute Switch Processor

4ポートの10Gbps Ethernetラインカード(左)。40ポートのギガビットEthernetラインカード(右)

FMCを狙うソフトバンクが採用


 

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