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Cisco nVテクノロジーで96Tbpsの巨大容量を実現

スーパーボウルの全ビデオを1秒で転送!ASR 9000の実力

2011年06月29日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月28日、シスコシステムズ(以下シスコ)、サービスプロバイダー向け事業に関する説明会を行ない、インターネットトラフィックの爆発的な増加を裏付ける調査を披露すると共に、新製品ASR 9000シリーズの技術を解説した。

96Tbpsのキャパシティを誇る新ASR 9000

 発表会では、米シスコシステムズの最高技術責任者 サービルプロバイダビジネス アジア太平洋地域および日本担当のアレックス・ジニン氏が、トラフィックの増加やアプリケーションの変遷、デバイスの増加といった現状を説明。トラフィックもインターネットから端末までの上り下りの方向だけではなく、並行方向でデータセンターをまたぐ「イースト&ウェスト」と呼ばれるトラフィックパターンが増え、さらにIPv4の枯渇という問題も迫っている。これに対し、今までのようなアプリケーションごとにネットワークを構築する「サービスのサイロ化」では、すでに限界になっており、IPv6を前提としたシンプルなNGNへ移行する必要があると説明した。こうしたシンプルなサービスプロバイダネットワークを実現するのが、ASR 9000シリーズだという。

米シスコシステムズの最高技術責任者 サービルプロバイダビジネス アジア太平洋地域および日本担当のアレックス・ジニン氏

 今回の発表ではシャーシ型の「ASR 9922」のほか、ボックス型の「ASR 9000v」、9000シリーズ用の100GbE(2ポート)ラインカード、10GbE(24ポート)ラインカードなどが投入された。

Cisco ASR 9000シリーズ

 Cisco ASRシリーズは、Aggregation Service Routerという名前のとおり、顧客のトラフィックを集約するキャリア向けのエッジルーター。コアルーターのCRSシリーズとともにサービスプロバイダのネットワークを構成する。NTTぷららのほか、チャイナテレコム、コムキャスト、ファストウェブなど、導入を表明しているサービスプロバイダーは500社を超えるという。

 最大の特徴は、「Cisco nVテクノロジー」という仮想化技術で、従来のアグリゲーションとエッジという2階層を論理的に統合する。具体的にはアクセスを束ねるアグリゲーションにはASR 9000v、そのアップリンクを束ねるASR 9922と物理的には2階層でnVを構成すると単一のルーターとして見えるという。ジニン氏は、「アグリゲーションとエッジを統合し、1つのルーターに見せかける。(複雑さの温床となる)レイヤ構造を排除し、コストを削減する」というnVのメリットをアピールした。

エッジとアグリゲーションを統合するCisco nVテクノロジー

 nVテクノロジーで仮想化したアグリゲーションのASR 9000vは最大1920台、8万4480のギガビットポートをサポートしており、最大96Tbpsのシステム容量を実現するという。このシステム容量は「他社に比べて36倍」「毎分18万本のDVDをダウンロードできる」「北京、ロンドン、モスクワに住む約4300万人が同時にHD映画を視聴が可能」などを謳う強力なキャパシティになる。

 また、複数の製品に習熟しないで済むことから知識の取得にかかる労力やコストが要らない、インストールやソフトウェアのメンテナンスを1台ずつ行なわないで済む、プロトコル等も統合されるといったメリットがあり、ネットワーク運用も大幅に簡素化される。シスコは、このnVテクノロジーで他のプラットフォームに比べて、電力や冷却、スペースも等も含め、最大70%の運用コスト削減を実現すると主張する。

導入、運用管理などにおいて最大70%のコスト削減を謳う

 nVテクノロジーは、既存のASR 9010/9006などもソフトウェアアップデートで対応する。また、Cisco Integrated Service Moduleの追加により、キャリアグレードIPv6のスピーディな導入も可能になるという。

過渡期にあるサービスプロバイダー事業

 発表会では、シスコシステムズ副社長 サービスプロバイダ事業 堤浩幸氏が「Visual Networking Index Forecast」という年次調査を元にサービスプロバイダー事業の変遷について説明した。

 同氏は、「よりビジュアルに、よりソーシャルに、よりパーソナルに」といったコンシューマー、「コラボレーションや投資対効果、モビリティ」を求めるビジネスユーザーという、それぞれのニーズを説明。2015年には約30億人がインターネットユーザーに、150億の端末がネットワークに接続され、現在のトラフィックが2015年には全トラフィックがゼタバイト(1兆ギガバイト)を突破する見通しを示した。さらに固定ブロードバンドは、現在の7Mbpsから2015年には28Mbpsに達し、毎秒100万分のビデオがインターネットで送信される見込みだという。

 こうしたなか、サービスプロバイダーは急激なトラフィックの増加とビットあたりの収益減という逆風のなか、新たなビジネスモデルやパートナーとともに収益の機会を増やす必要があるという。そして、シスコはサービスプロバイダーが高い付加価値を顧客に提供するための製品やサービスを用意していると述べた。そして、NGNの次の段階として、インターネットとサービスネットワークを統合した「次世代インターネット」が必要になるとアピールした。

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