カタログにはあまり出てこないが、秋葉原のショップにある店頭チラシなどでよく見かける用語として挙げられるのが熱設計電力「TDP」だ。今回は、ノートパソコンなどを選ぶときには欠かせないこの用語について解説しよう。
TDPは消費電力の目安
TDP(そのままティーディーピーと読む)はThermal Design Powerの略だ。日本語では「熱設計時消費電力」と訳されている。CPUなど半導体の消費電力を表す指標のひとつ。ヒートシンクや冷却ファンなど、CPU冷却機構の設計時に使われる想定消費電力(発熱)をあらわしている。
動作クロックが異なるCPUでも、TDPの値は同じであることが多い。あくまでTDPは「パソコンの熱設計時の基準値」という指標であり、実際の消費電力とは異なるので注意したい。通常の場合、CPUの平均消費電力はTDPに比べてはるかに小さな値となる。
ノートパソコンのサイズを左右するTDP
TDPはCPUによって大きな違いがある。デスクトップ向けの場合は60~130W程度で、モバイル向けの場合は10~45W程度とかなり開きがある。TDPの大きなCPUを利用するには、高性能な冷却機構や電源ユニットを搭載する必要があるのだ。
冷却性能を高めるには、大型のファンやヒートシンクを使用する必要がある。そのため、TDPの大きなCPUを小型のモバイルノートPCに搭載するのは難しい。
たとえば現在のインテル製CPUの場合では、A4フルサイズノートではTDPが35~45W前後の「通常電圧版」が、携帯性を重視したモバイルノートPCではTDPが10W前後の「超低電圧版」や、20W未満の「低電圧版」が搭載されている。
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