10日に発表された新型iPodシリーズとiTunes 8について、米アップル社のiPod担当ワールドワイド・プロダクト・マーケティングのショーン・エリス氏に話を聞いた。
視覚的な楽しみが増すiTunes 8
——iPodと同時にiTunes 8が発表されました。本バージョンの主な変更点を教えてください。
エリス 大きく2つの特徴があります。まず、今までCover Flowとリスト、ブラウズしかなかった表示方法に「グリッド表示」を追加しました。これは、ライブラリに収録された楽曲のアートワークをサムネールにし、アルバム/アーティスト/ジャンル/作曲者ごとに整理して表示する方法です。
エリス 「グリッド表示」ではサムネールのマウスオーバーで再生ボタンが現れ、ダブルクリックするとリスト表示に切り替わります。またアルバム表示以外では、マウスオーバーしたときに、複数のアルバムのアートワークを順に表示します。
——視覚的にも楽しめて、利便性もいいおもしろい機能ですね。もうひとつは、どのような機能でしょうか?
エリス はい、もうひとつは「Genius」です。ボタンひとつでお勧めのプレイリストを作成したり、iTunes Storeから相性のいい曲を探して表示したりする機能です。
まずプレイリストですが、これはベースとなる曲を選択したあと、右下にある「Genius」ボタンをクリックするだけです。これで、ライブラリに登録された楽曲から相性のいい楽曲を選び、プレイリストを作成してくれます。これは、ユーザーがすでに持っている曲の楽しさを再発見できる機能だと考えています。
そして、もうひとつの「Genius」が「Geniusサイドバー」です。こちらは選択した楽曲のアーティストのほかの楽曲、もしくは相性のいい楽曲を画面右側のサイドバーに表示するものです。iTunes Storeに移動することなく試聴できるため、気に入ったアーティストや関連した楽曲を購入する助けとなるでしょう。
——興味深い機能ですね。しかし、どのようにして相性のいい曲を選んでいるのでしょうか?
エリス 最初に利用許諾を経て「Genius」機能をオンにすると、iTunesのライブラリの情報がサーバーに送られます。世界中のさまざまなユーザーの情報を分析して、お勧めの曲をリストアップし、ユーザーのiTunesに情報を戻すという仕組みです。またユーザーのライブラリ情報はiTunes Storeで楽曲を購入際のほか、週1回のペースで更新されます。データが蓄積されればされるほど、より制度の高いフィードバックを実現できるのです。
——なるほど。Geniusはどんどん成長しているというわけですね。送信される情報の中に、アカウントなどの個人情報は含まれているのですか?
エリス いえ、含まれません。曲名やアーティスト名など楽曲の基本情報以外は「レート」や「再生回数」などだけですよ。
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