11日に発表されたデジタル音楽プレーヤー「iPod shuffle」に合わせて、iPodの楽曲を転送するのに必要な音楽プレーヤー「iTunes」も新バージョンの8.1が登場した(関連記事)。
第3世代iPod shuffleとの同期に対応したほか、以下のような新要素が含まれている。
- サイズの大きなライブラリを操作する際など、ソフトのパフォーマンスとレスポンスが向上
- iPhoneなどから曲をリクエストできる「iTunes DJ」の採用
- CDを取り込む際の標準音質をAAC形式/256kbpsに変更
- iTunes Plus の曲をダウンロードするときのパフォーマンスが向上
- 手動で管理しているiPodにもオートフィルを提供
- ムービーやテレビ番組用のGeniusサイドバーを追加
- ペアレンタルコントロールにおいて「iTunes Store」と学習用コンテンツが揃った「iTunes U」を別々に無効化できるようになった
このうちASCII.jp的に注目したいのが「iTunes DJ」だ。
iTunes DJはランダムに曲を選んでプレイリストを作ってくれる機能で、従来「パーティーシャッフル」と呼ばれていた。名前の通りパーティーのBGMに使ってもいいが、自分で音楽を聴くときに利用しても、しばらく再生していなかった曲との「再会」があってなかなか楽しい。
今回、iTunes 8.1のiTunes DJでは、iPhone/iPod touch用のリモコンアプリ「Remote」を使い、無線LAN経由で再生する曲をリクエストできるようになった。何やら友達同士で集まったときに便利そうな感じだが、実際はどんな使い勝手なのだろうか? 早速、チェックしてみた。
みんなで作る即興プレイリスト
先ほど出てきたRemoteというアプリは、同じ無線LANアクセスポイントにつないでいるパソコンのiTunesにアクセスして、楽曲やプレイリストの再生/一時停止、早送り/巻き戻しといった操作を実行できるソフトだ(関連記事)。
従来Remoteでは、iTunesを操作する前にパスコードを入力してiPhone/iPod touchを登録しておく必要があった。iTunes DJではこの登録なしに、「ゲスト」としていきなりiTunesのライブラリにアクセスできるようになった点が新しい。
ただ、ゲストなので機能は制限されている。再生/一時停止といった操作はいっさい対応しておらず、実行できるのは「この曲が聴きたい」というリクエストのみだ。要望を出すとiTunes DJのプレイリストに曲が追加されて、順番が来るとその曲が流れ出す。ちょうどカラオケで歌う曲をリクエストするのに似ている。
例えば、パーティーなどで友達を集めた際、自分のiTunesライブラリを解放して、聴きたい曲を勝手にリクエストしてもらうという使い方ができるだろう。iTunes DJで曲を流しっぱなしにしておけば、友人がiTunesライブラリを覗き見して、「お、この曲ちょっと聴きたいかも」と曲を追加していってくれる。
みんなのリクエストでひとつのプレイリストを即興で作り上げる──。iTunes DJはそんな「Web 2.0」的な機能なのだ。