7月末、VMwareのサーバー仮想化ソフトが無料化されたのに続き、今度は米マイクロソフトが米国時間9月8日、同社のサーバー仮想化ソフト「Microsoft Hyper-V Server 2008」の無償ダウンロード提供を今後30日以内に開始すると発表。サーバー仮想化の本格的普及に一気にはずみがつく可能性が出てきた。
現在発売中のWindows Server 20008は、Hyper-V機能の有無で製品ラインアップを分けている。たとえばHyper-Vありの「Windows Server 2008 Standard Edition without Hyper-V (10CAL)」(実売価格13万2000円)は、Hyper-Vなしの「Windows Server 2008 Standard Edition without Hyper-V (10CAL)」(実売価格12万8000円)に比べて、4000円程度高い。しかし、ライバル製品であるVMwareのサーバー仮想化ソフト「VMware ESXi」が無料である以上、4000円とはいえ仮想化ソフトを有償提供するのは不利、と判断したのだろう。
Hyper-V Server 2008が無償化されれば、ユーザーはWindows Server 2008を導入するだけで、手軽に仮想化環境が手に入る。Windows Serverに親しんだ既存ユーザーには、多少なりとも手が出しやすいはずだ。
マイクロソフトは同時に、物理サーバーと仮想サーバーを統合的に管理できる「System Center Virtual Machine Manager 2008」も30日以内に提供すると発表した。Virtual Machine Manager 2008は、物理サーバーから仮想サーバーへの変換作業やアプリケーションの展開などを簡素化するツールだ。
ひとたび仮想サーバーに移行すれば、各仮想サーバーの稼働状況を監視してリソースを割り当てるといったダイナミックな運用管理ができることが大きなメリットになる。ただし、高度な運用管理をするためには、以上のようなSystem Center関連製品の導入が欠かせないので買ってくださいね、ということなのだろう。Hyper-Vの無料化は呼び水というわけだ。
System Center関連製品はとにかく枚挙にいとまがない。たとえば、リソース使用度が高いアプリケーションをサーバーで実行し、デスクトップにストリーム配信できるようにする「Microsoft Application Virtualization 4.5」もマイクロソフトが大々的にアピールする製品だ。Application Virtualization 4.5は、「Microsoft Desktop Optimization Pack 2008 R2」(数週間以内に一般ユーザー向けに提供される予定)の一部に含めて出荷される。
マイクロソフトの「仮想化」を紹介するサイト「Microsoft Virtualization」も立ち上がったので、まずは情報集めから始め、ツールの必要性などを検討することが重要だろう。