8月26日から4日間、横浜でマイクロソフト主催のテクニカルカンファレンス 「Microsoft Tech・Ed 2008」が開かれた(関連記事)。また、今年はシステムの運用管理に関する最新情報や実践ノウハウを伝える「Microsoft Management Summit 2008 Japan」(以下、MMS)も同時開催された。
2日目にあったMMSの基調講演では、米マイクロソフト マネージメント アンド ソリューション ディビジョンのジェネラル マネージャであるブラッド・アンダーソン氏が登壇。「この1年、MSDNとTechnetのWebサーバーをHyper-V上で運用している」とエピソードを披露した(調べたところ、情報は5月のTechnetのブログに出ていた)。Hyper-VはWindows Server 2008の一部として提供されているハイパーバイザーベースの仮想化機能で、仮想化市場におけるマイクロソフトの切り札ともいえる技術である。エンジニア向けの専門サイトであるMSDNやTechnetが「Hyper-Vにより、拡張性に優れた環境になり、コストを大幅に削減できている」とすれば、Hyper-Vにとって最高の事例だろう。
MSDNやTechnetは、世界中のユーザーにマイクロソフトの技術情報や製品サンプルを提供するサービスである。サーバーの負荷は、世界中で働く人に合わせて刻々と変化する。もし各国語のサービスを現地サーバーで提供するとしたら、ピーク時に合わせてサーバーの性能要件を見積もらなければならないし、各国の経済事情やIT導入の変化に応じて、サーバーを入れ替えなければならない。しかし、ユーザーの働く時間が地球の自転によって変化していることを利用すれば、より少ないサーバーを用意すれば済む。マイクロソフトがHyper-Vなど、自社の仮想化技術を組み合わせることでコストを大幅に削減できたとすれば、「激しく変化するビジネスの条件にも俊敏に、しかも低コストで、自動的に適合できる柔軟性と知性を持ったシステムが構築できる」というマイクロソフトの主張もうなずける。
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