サン・マイクロシステムズが、クライアントPC用のデスクトップ仮想化ソフト「xVM VirtualBox 2.0」をリリースしたのは既報のとおり(関連記事)。じゃあ現在、限定ユーザーでテストをしているというサーバー向け製品はいつ出てくるのだろうと思っていたら、米国時間の9月10日、サーバー仮想化ソフト「Sun xVM Server 1.0」と管理ソフト「Sun xVM Ops Center 2.0」についての発表があった。
xVM Server 1.0は、Xenをベースに開発されたハイパーバイザー型のサーバー仮想化ソフト。xVM Ops Center 2.0は、仮想化したサーバーを運用管理するためのツールで、VMwareのESXやマイクロソフトのHyper-Vの競合製品にあたる。x86とSPARCのプラットフォームに対応し、WindowsやLinuxのほか、Solarisをサポートしているのが大きな特徴だ。仮想化環境に移行したいSolarisユーザーであれば、必須のソフトだろう。
もちろん、Solaris以外のユーザーに対してもアピールポイントはある。たとえば、xVMはGPLv3に基づくオープンソースなので、改良の自由度など、オープンソースの利点を理解して好んで利用するようなユーザーには魅力的に映るはずだ(ソースコードは「xVMserver.org」のサイトで入手可能)。また、xVMはVMwareの仮想HDDと互換性を持つので仮想マシンの移行も容易。現状のHyper-Vではまだ利用できない動的マイグレーション(サーバーを稼働したまま移行などができる機能)にも対応している。
今回発表された2本のソフトと、リリース済みの「Sun xVM VirtualBox 2.0」(クライアントのデスクトップ仮想化ソフト)、「Sun Virtual Desktop Infrastructure 2.0」(デスクトップを仮想化してサーバーからクライアントに配信するソフト)をあわせると、サン・マイクロシステムズの仮想化製品群も、競合他社と同様に、デスクトップからサーバーまで、ずらりとラインアップがそろった。
xVMにはサポートサービスが受けられる有償版も用意されている。米国の場合、xVM Serverは1物理サーバーあたり年500ドルから。xVM Ops Centerは管理サーバーあたり100~350ドルだ。24時間365日のサポートが提供される。日本での価格、サポート内容の詳細は、日本法人の広報部に問い合わせたところ「日本国内においても近日正式発表を予定しております」とのことだった。
また、現時点でxVM ServerとxVM Ops Centerの完成版(製品版)は公開されていない。米Sun Microsystemsのリリースでも触れられていないのだが、xVMチームの責任者であるSteve Wilson氏のブログによると、今後30日以内にEA(early access)版、60日以内にリリース候補版を出すのが目標だという。