EOSシリーズの中級機種「EOS 50D」がキヤノンから発表になった。昨年8月に発表された「EOS 40D」(関連記事)以来、約1年ぶりのマイナーチェンジ。
CMOSイメージセンサーの変更により、APS-Cサイズ機では最高水準の画素数となったほか、高感度撮影時の画質も向上した。また、レンズの周辺光量落ちなどを自動的にカメラ内で補正する機能や、「EOS-1Ds Mark III」などで採用しているAF微調整機能「AFマイクロアジャストメント」をミドルクラスでも搭載するなど、細かな使い勝手を高める機能が追加されている。
高感度に強い新撮像素子
ボディーサイズやデザインなど基本的なフォルムは従来機種を踏襲しているが、画素数が有効1510万画素に増えた。感度はISO 100~3200まで。ISO感度拡張機能を利用することで、約2段(ISO 6400またはISO 12800相当)の撮影も可能。
RAW記録時には、フル画素のRAWのほか、約710万画素のsRAW1、約380万画素のsRAW2から選択できる。内部での画像処理は14bit精度。後処理での自由度が高いRAWモードは常時使いたいが、記録枚数に不安があるといったユーザーに便利な機能だ。
画素数の向上に合わせて、映像エンジンも「DIGIC 4」に進化した。これによりデータ処理に要する時間は従来機と同水準にキープ。連写速度も毎秒6.3コマとほぼ同じ。UDMAのCFカード使用時で約90枚まで撮れる。背面の液晶パネルは、サイズこそ3インチと変わらないが、画素数が約92万ドットに増え、3層の反射防止コートを施した視認性の高いものに変更されている。
ライブビューには顔認識の技術を応用
EOS 40Dで新搭載されたライブビュー撮影機能は3種類のモードに増え、位相差AF(クイックモード)、コントラストAF(ライブモード)、コントラストAFに顔認識を組み合わせたもの(顔優先ライブモード)が選べる。また、付属ソフトウェア「EOS Utility」を使用することで、パソコンの画面で構図やピントを確認できる(リモートライブビュー)。
ファインダーに関しては視野率95%、0.95倍。会場で実際にのぞいてみたが、広く明るい印象。AFセンサーは9点すべてにクロスタイプセンサー(F2.8)を採用。このあたりはEOS 40Dと変わらない。このほか振動によるローパスフィルターのホコリ除去なども備える。
EOS 50Dでは、装着レンズの特性に合わせて、周辺部の光量補正を自動化する。これまで付属ソフト「Digital Photo Professional」で可能だったが、本体内で適用できるのは初めて。補正レンズデータは、EOS Utilityから約40本分を登録できる。
本体サイズは幅145.5×奥行き73.5×高さ107.8mmで、重量は約730g(本体のみ)。記録メディアはコンパクトフラッシュ。9月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭での販売価格はボディーのみで15万円前後になる見込み。
広角から望遠まで1本でこなせる手ぶれ補正搭載レンズも
EOS 50Dの発売に合わせて、29mmから320mm相当の焦点距離をカバーするズームレンズ「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」も発表された。APS-Cサイズ機向けで、約4段分のぶれを軽減できる光学式手ぶれ補正機構を内蔵。最短45cmの撮影が可能。モーターは超音波モータではなく、DCモーター。
価格は8万9000円で、9月下旬に発売される。