このページの本文へ

西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第8回

「一冊の本を目指した」癒やしのあるノート LaVie N

2008年08月05日 15時00分更新

文● インタビュー●西田 宗千佳、構成●小西利明/トレンド編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 インタビューでは、LaVie Nの商品企画を担当したNECパーソナルプロダクツ(株)の情野謙一(せいの けんいち)氏と、デザインを担当した(株)NECデザインの鈴木啓太氏にお話をうかがった。

情野謙一氏

情野謙一:NECパーソナルプロダクツ PC事業本部 商品企画本部 商品企画部マネージャー

鈴木啓太氏

鈴木啓太:NECデザイン プロダクトデザイン1 デザイナー


モバイルじゃないけど、持って歩けるノート

――この製品は今までのLaVie Lシリーズなどとは、ちょっと変わったテイストで作られている。まず始めに、どういった辺りを狙い、どこから発想して商品企画が行なわれたのでしょう。

新しいジャンルとして『いろいろ挑戦してみよう』と

「新しいジャンルとして『いろいろ挑戦してみよう』ということで始めました」(情野氏)

情野:当社は15インチディスプレーを搭載するA4ノートという商品を主力としてやってきましたが、お客様が買うときに「どんなところを見て買うのか」を調査したことがありました。そのとき、想定どおり「ノートだけど、(机に)置いて使う」デスクトップの代わりというグループと、「価格が安いから買う」というグループがあった。

 しかしもうひとつ、「(A4でも)ノートなんだから持って歩きたい」というグループが、ほかと同数くらいいたのですね。実際にそうしているかはともかく、A4ノートと言っても持ち歩きたいというユーザーもいると。

 そのグループは比較的若い世代の人で、「小ぶり」や「デザイン性」という点が好まれている。「大きな15インチ級より小さめの、カジュアルな感じの製品が欲しい」というイメージを持っている方々がいるんだなと。もともとあったのでしょうが。

 だからその層に向けて、新しいジャンルとして「いろいろ挑戦してみよう」ということで始めました。

――毎日ノートを持ち歩いている熱心なモバイラーやビジネスパーソンの方とは異なる層にも、「やっぱりノートパソコンなんだから、時には持ち運びたい」というニーズが、かなり大きくあるということでしょうか。

情野:ええ。しかし、そこにぴったりはまる製品がない。そのため15インチ級を買っているようです。

 競合他社もこの市場に向けた製品を出されていますが、彼らと同じような物を作ってもつまらないので、NECらしさを出したいという気持ちがあった。

 いろんなアイデアがあったのですが、物を買うときにデザインから入るような人たちが、どういう物を求めるのだろうというところから、社内モニター調査などを行なって、この製品の形に行き着きました。


「機械っぽくなく、一冊の本のように」

存在感がなく、機械っぽくなく……

「存在感がなく、機械っぽくなく、一冊の本のようにさらりと机の上に置かれているというたたずまいが一番きれいだなと考えていた」(鈴木氏)

――LaVie Nのデザインは特徴的ですが、わりと装飾のない、シンプルと言えばシンプルだけど、色合いなどは工夫した製品になっていますね。

 これまでノートパソコンのデザインと言えば、どちらかと言えばデコラティブな(飾り立てた)方向性が強かったと思います。特にLaVie Lシリーズはそれに近い。

 それに対してこのLaVie Nはシンプル。どこを狙い、何をモチーフに考えてデザインしたのでしょうか。

情野:デコレーションのような、何かを付けて高級感を出すというのではなく、かといって安っぽく見えるのでもなく。こじゃれた、ちょっとおしゃれな感じを表現してもらいたいと、依頼しました。

――ちょっとおしゃれな感じ、と言われても簡単ではないですよね(笑)。

鈴木:最初のデザイン要件を聞いたときに、ターゲットが自分くらいの年齢というのが、まず考えやすかった。自分たちが実際に購入するとなったときに、どういうパソコンが欲しいかを考えるということで、考えやすくはありましたね。

 例えば住まいなども、今の若い人はわりとシンプルで、こざっぱりとしたインテリアを好む傾向があると思いますし、また、そういう生活をしたいと思っている。そんな中で、パソコンというものが家にあるときに、どういう風にあるのがいいか。

 存在感がなく、機械っぽくなく、一冊の本のようにさらりと机の上に置かれているというたたずまいが一番きれいだなと考えていたので、全体の造形をシンプルにしようというのが、まずありました。

――その中で、シンプルではないと言うか、大きく違うのがカラーリングとバリエーションですよね。ツートンカラーというのは、シンプルなデザインの中でも特徴的な点ですし、モデルによってはNECらしからぬ色もあります。

鈴木:そうですね(笑)。

情野:パソコンとしては新しい色だったので、最初は「大丈夫なの?こんな色」という話はかなりありました。

――最初に企画した段階で、カラーバリエーションとしてどんな色にするか、誰に対してどんな色を提案するのかというのは、決めるのがなかなか難しい点ですよね。

 しかも今回は、今までパソコンにない色を持ってきた。どうやって色を決めたのでしょう。

「自分を含む若い世代が欲しがるものをデザインした」と語る鈴木氏

「自分を含む若い世代が欲しがるものをデザインした」と語る鈴木氏。しかし、単に若者向けではなく、落ち着いた質感は老若男女問わず受け入れられるものとなっている

情野:鈴木から話があったときは、「パソコンらしくない色をイメージしている」ということでした。デザインのコンセプトは「Color for form、form for Color」。形と色がお互いを引き立て合うことをイメージしているとの話がありました。

 ありきたりのカラーでは特徴が出せないので、ある意味とんがっているイメージ、奇抜さや派手さではなく、プレミアム感が出る色、ちょっとおしゃれというところを狙いたかった。そういったところから考えてもらいました。

――色のバリエーションとしては、これらのほかに何色があったのでしょうか。

鈴木:水色とかですね。

情野:水色とオレンジと、あとはラベンダーというのが最終的に出ましたね。

――オレンジは製品化されましたが、オレンジを含めた4色が選ばれた理由というのは?

情野:まず店頭販売モデルは3色くらいにしようと決めていたので、3色並べて売り場で並んだ状態を想定して、この製品らしさを出せる色ということで選びました。

 オレンジは直販専用なのですが、店頭の3色だけでなく、直販でお客様の枠を広げようという意味もあり、はっきりした色、元気さを出してみようと選びました。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン