Web3.0はクラウド・コンピューティングの時代
ベニオフ氏が語るForce.comのメリットを裏付けるように、すでに多くのISVがForce.comへの参加を表明しており、800本のビジネスアプリケーションがAppExchange上に公開されている。たとえば、英国のソフトベンダー「CODA」は、Force.com上で会計ソフトを開発。Force.comを使うことで数カ月でサービスインできたという。「自社で一からサービスを立ち上げていたら、2年はかかっただろう」とCODAのCEOであるジュレミー・ロシュ氏は話す。
一方でこうした、ネット上に用意されたプラットフォームを開発者が利用するモデルは、今やForce.comだけではない。Googleは「Google App Engine(GAE)」を、Amazonは「EC2」を提供し、コンシューマ向けではFacebookが存在感を示している。ベニオフ氏は、クラウド・コンピューティングを「業界全体のパラダイムシフト」と位置づけた上で、次のように語った。
「90年代に生まれたWeb1.0の時代には、Yahoo!やAmazon、Googleといったキラーアプリケーションが、あらゆる消費者にインターネットの恩恵をもたらした。次のWeb2.0は、ユーザー主導でコンテンツを作るコラボレーション、コミュニティの時代だった。そして、新しいWeb3.0の時代は、クラウドによるプラットフォームの時代。開発者は選ぶ時期に来ているのだ。ソフトウェアなのか、それともクラウドなのかを」。