使い勝手はそのままにPDFの閲覧/共有機能を強化
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【SPEC】 開発/販売元●アドビ システムズ(株) 価格●5万7540円(通常版)、2万1735円(アップグレード版/特別提供版/アカデミック版) 備考●評価にはベータ版を使用 http://www.adobe.com/jp/ 対応システム●OS X10.4.11以上(Leopard対応) 対応機種●PowerPC G4/G5、またはインテルCPUを搭載したMac |
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【COMMENT】
PDFが重くて使えないというのは、過去の話。共同作業で発生する煩わしい諸作業から解放されるので、これからは普及がさらに進むはずだ。
「Adobe Acrobat」は、PDF書類を作成/編集するためのソフトだ。PDF文書の作成はOS Xの機能、閲覧だけなら無償で配布されている「Adobe Reader」やOS X標準の「プレビュー」でも十分だが、仕事のワークフローの一部として利用するならば、入手しておくべきソフトだろう。
インターフェースや操作方法は、前バージョンの仕様がほぼ継承されている。PDFの作成方法も変わっておらず、「ファイル」メニューの「PDFの作成」から対象となるファイルを選ぶか、付属の「Acrobat Distiller」でPSファイルに変換すればいい。
目に見える変化では、「PDFポートフォリオ」が追加された。ZIP圧縮と似た機能で、画像や文書ファイルなどをひとつのPDFファイルにアーカイブするというもの。また、PDF文書内でのFlashビデオの再生をサポートした点も注目すべきポイントだ。そのため、ラーニングコンテンツの作成などで役立つだろう。
PDF文書の中にアンケートなどのフォームを設置し、ユーザーからの回答を収集する機能は以前から用意されていたが、新バージョンではフォーム作成用のウィザードが追加された。用意したフォームを配布する手段としては、後述するウェブサービス「Acrobat.com」も指定できるため、独自にサーバーを用意しなくても済む。
本製品のターゲットとなるのは、PDFを仕事の一部で利用しているビジネスユーザーだ。アップグレード価格は2万円前後で、動作速度の改善だけを求めるならば少し高い買い物。判断の基準となるのは、Flashビデオを含むPDFコンテンツの制作能力やAcrobat.comを通じたフォームデータの回収機能の必要性などになるだろう。
(次ページに続く)
