このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

PDF作成ソフト

レビュー:Adobe Acrobat 9 Pro

2008年06月30日 18時00分更新

文● 小口博朗

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

使い勝手はそのままにPDFの閲覧/共有機能を強化


Hear 【SPEC】
開発/販売元●アドビ システムズ(株) 価格●5万7540円(通常版)、2万1735円(アップグレード版/特別提供版/アカデミック版) 備考●評価にはベータ版を使用 
http://www.adobe.com/jp/

対応システム●OS X10.4.11以上(Leopard対応) 対応機種●PowerPC G4/G5、またはインテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
PDFが重くて使えないというのは、過去の話。共同作業で発生する煩わしい諸作業から解放されるので、これからは普及がさらに進むはずだ。


 「Adobe Acrobat」は、PDF書類を作成/編集するためのソフトだ。PDF文書の作成はOS Xの機能、閲覧だけなら無償で配布されている「Adobe Reader」やOS X標準の「プレビュー」でも十分だが、仕事のワークフローの一部として利用するならば、入手しておくべきソフトだろう。

Interface

「Adobe Acrobat 9 Pro」の主なインターフェース。(1)ファイルの操作や注釈の追加など使用頻度の高い項目が並ぶツールバー、(2)PDF文書を閲覧/編集する画面。単一ページ/見開きページなどの表示モードを切り替えられる、(3)画面の一部分を拡大して表示するルーペツール。拡大範囲が、青い枠線で指定される、(4)ページ/しおり一覧。文書のサムネールや目次を表示できる、(5)文書内に追加された注釈や添付ファイルを確認するパレットエリア、(6)ボリューム内や過去の閲覧履歴などをプレビューしながらブラウズできるPDFキャビネット。書類の管理に役立つ

 インターフェースや操作方法は、前バージョンの仕様がほぼ継承されている。PDFの作成方法も変わっておらず、「ファイル」メニューの「PDFの作成」から対象となるファイルを選ぶか、付属の「Acrobat Distiller」でPSファイルに変換すればいい。

01

PDF文書に定義された目次を階層化して一覧できる「しおり」といった、便利な機能もバージョン8から受け継いでいる

 目に見える変化では、「PDFポートフォリオ」が追加された。ZIP圧縮と似た機能で、画像や文書ファイルなどをひとつのPDFファイルにアーカイブするというもの。また、PDF文書内でのFlashビデオの再生をサポートした点も注目すべきポイントだ。そのため、ラーニングコンテンツの作成などで役立つだろう。

Flashビデオのレンダリングエンジンが搭載され、PDF上に配置されたFlashビデオをその場で再生できる。ファイルを挿入する際、アクティベーションの設定なども可能

 PDF文書の中にアンケートなどのフォームを設置し、ユーザーからの回答を収集する機能は以前から用意されていたが、新バージョンではフォーム作成用のウィザードが追加された。用意したフォームを配布する手段としては、後述するウェブサービス「Acrobat.com」も指定できるため、独自にサーバーを用意しなくても済む。

03

フォームツールを使って、PDF内にテキストフィールドやラジオボタンを設置し、ユーザーのレスポンスを収集できる。データを収集する際、「Acrobat.com」も利用可能。また、独自に用意したサーバーの利用や特定のメールアカウントへの返信も選択できる

 本製品のターゲットとなるのは、PDFを仕事の一部で利用しているビジネスユーザーだ。アップグレード価格は2万円前後で、動作速度の改善だけを求めるならば少し高い買い物。判断の基準となるのは、Flashビデオを含むPDFコンテンツの制作能力やAcrobat.comを通じたフォームデータの回収機能の必要性などになるだろう。


(次ページに続く)

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中