データのやり取りをスムーズにするツール
PDFの強みはどんな環境でも同じように再現されるドキュメントを、低容量でやり取りできる点にある。そうした意味で注目したいのが「ファイルサイズを縮小」だ。メジャーアップグレードするたびに改善が加えられており、互換性を保つバージョン番号を指定するだけで自動的にファイルサイズを小さくしてくれる。
「PDFを最適化」もファイルサイズを小さくするための機能。こちらは、PDFファイルに収録された画像の品質を下げたり、しおりや注釈などのオブジェクトを削除することで容量を減らすなど、ユーザーが細かくカスタマイズできるのが特徴だ。
インターネットを通じてPDFをやり取りする際には、ウェブブラウザーベースのファイルホスティングサービス「Acrobat.com」を使うといい。将来的な利用価格は未定だが現在はベータ版のためメールアドレスを登録すれば、無償で利用できる。PDFファイル以外のファイルのアップロードが可能で、文書書類をPDFに変換する機能も備える。
そのほか、特定の相手にメールで招待状を送り、アップロードしたファイルの共有が可能。PDF書類はAcrobat.com上で閲覧できる。
【Conclusion】
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起動時間の大幅な短縮をはじめ、動作が全体的に軽快になった。基本的なツール類はそのまま継承されているので、操作に迷わない。
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鉛筆ツールなどでグラフィカルな注釈を記入した場合、数が増えると緩慢な動きになる。複数のオブジェクトを一括して操作する際の動作も遅い。
(MacPeople 2008年8月号より転載)