ぜひ「ダブルナンバー」の逆を
アップルが、米国でAT&Tと手を組んだのは、前回のインタビューにおけるNTTドコモのロジックの通り、なんとなくAT&Tが大会社だから使っているという「選択をしないユーザー」を取り込もうという狙いがあったと思う。
しかし、アップルは、そのAT&T(当時はシンギュラー)と話をする前に、実はかなりカッティングエッジなことをやっているイメージがあるベライゾンとも交渉をしていたと聞く。
欧米で最初に契約を結んだ数社のキャリアは、いずれもAT&T型の老舗最大キャリアだったが、ヨーロッパやアジアでのiPhone市場拡大にあたっては、アップルもキャリアの選択の仕方を変えてきたのかもしれない。いずれにしても、ついに日本でのiPhoneの発売予定が正式に発表されたのはうれしい限りだ。
個人的にも、3キャリアの携帯を持っているが、ちょうどソフトバンクの端末だけ古かったので、このニュースは喜ばしい。ただし、iPhone発表の前日にあった夏の新モデルも魅力的なのでできれば「ダブルナンバー」の逆で、2台で同じ電話番号は検討してほしいところ。
過去に一度失敗していたソフトバンク
ドコモ対ソフトバンクの戦いとして見ると、実はソフトバンクは、すでに一度、アップルと渡り合って失敗したという過去を持つ。iPhone登場の前、「iPod携帯」について話し合っていたときに、その話が漏れてしまい、企画が白紙撤回になってしまった(関連リンク)。
そのため、今回の交渉ではソフトバンクは終止、かなり厳しく口を閉ざしていた(関連記事)。それもソフトバンクが、少なくとも先に交渉をまとめる上では有利に働いたのだろう。
そうやって見ると、ドコモは、アップルと真剣に渡り合ったことがなかった分、交渉に臨む態度が甘かったところがあるのかもしれない。
ただ、ソフトバンクだけに持っていかれることは、何としても避けたがっている印象を受けたので、WWDC初日までの残された時間は、かなり必死に交渉するのではないだろうか。