コントラストAFでも、高速なライブビュー撮影が可能
今回は、下記のようなE-420が搭載する個性的な新機能を4つ試してみた。
まずE-420の最大の特徴と言えそうなのが、ライブビュー機能。ミラーのアップダウンなしで使える「コントラストAF」を採用しつつ、高速なピント合わせが可能である。同社はこれを「ハイスピードイメージャAF」と呼んでいる。
実際の使い勝手だが「快適」と本音で言える。体感的な速度は、一昔前のコンパクトデジカメよりも高速で、しかも正確だ。反応に関しては、位相差AFを採用したソニーの「α350」に譲るが、コントラストAFでこの速度が出ていれば十分だろう。対応レンズと組み合わせて、柵などで近づけない被写体を撮影する際などに有効だ。
筆者の意地悪で、完全にピントがずれたボケボケの状態で実験している。しかし、桜の輪郭を理解すると着実にAF作業が開始されて、フォーカスは見事なピント位置で停止した
ただし、コントラストAFも万能ではない。例えば、コントラストが低い被写体、マクロ、夕焼け時の斜光といった条件では、ピントが合うまでに時間がかかる。おそらく合焦位置が、最短と無限遠、どちらの方向に行こうか考えているのだと思う。
ハイスピードイメージャAFのもうひとつ注意したい弱点としては、コンティニュアスAFが利用できないことが挙げられる。シングルAFのみでの使用となるので連写時のピントは最初に合った位置に固定される。
ライブビューの魅力のひとつにローアングル撮影がある。地べたに這いつくばらなくとも、こんな写真がカンタンに撮れる。ピントもバッチリで、タンポポの茎の産毛まで解像した
なお、ハイスピードイメージャAFはすべてのレンズで利用できるわけではない（今のところ、オリンパス製レンズ群の中ではレンズキット付属の標準/望遠ズームとパンケーキレンズの3本だけ）。それ以外のレンズでは、コントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドAF」によるライブビュー撮影となる。
仕上がりを並べて確認
背面液晶ディスプレーを利用した機能として、もうひとつ注目したいのが「パーフェクトショットプレビュー」だ。
これは撮影前に「露出補正」「ホワイトバランス」「ピクチャーモード」「階調設定」という4つのパラメーターに関して、調整前と調整後の状態を並べて表示できるシミュレート機能だ。2.7インチのパネル上で4種類の結果を一覧できるため便利だ。
露出補正のパーフェクトショットプレビュー。プレビュー画面で露出を選べる
同じくホワイトバランスのパーフェクトショットプレビュー。プレビュー画面でホワイトバランスを選べる
このあたりの機能は夜景撮影なんかにとても便利だ。まず最初に露出補正で明るさを決めて、次にホワイトバランスで色味を決めれば、直感的に撮影者の好みの描写で撮れる。露出/ホワイトバランスブラケットでも代用できる機能かも知れないが、どちらが楽しいかと言えばやっぱりプレビューできる方が良い。
また、実際に使ってみると、2.7インチの液晶ディスプレーだから可能なことだと分かる。E-410などの2.5インチ液晶ディスプレーは、4つのシミュレート画像を並べても比較するには小さすぎるように思えた。
