前回の記事に引き続いて、オリンパスから発売になった軽量コンパクトな一眼レフ機「E-420」を紹介する。ここでは同時発表されたパンケーキレンズや標準ズームレンズと組み合わせて撮影したサンプルを中心に、その実力を見ていこう。
とてもシャープな描写のパンケーキ
まず最初に勘違いから。屋外の撮影で「レンズを家に忘れた……」とあわててしまった。いつもE-510と標準ズームレンズ(14-54mm F2.8-3.5)を使っているので、パンケーキレンズの異様な小ささに感覚が狂ったのだ。
そして、お約束だが、電源をオンしたつもりでオフにしてしまった。E-420の電源スイッチは、オン/オフがE-510の逆なのだ。
今まで、友人のペンタックスユーザーに「最小ボディーなのにパンケーキレンズがないんだ」といじめられ続けた筆者。しかし、これでもう悔しい思いをしなくて済む。あくまで個人的な話だが、同レンズの登場によって旧OM用ZUIKOブランドの広角レンズに対する興味がやや低減した。
いずれにしても、パンケーキレンズ+E-420という組み合わせは、最強の「お散歩カメラ」と言えるほどいい。歩いている時はまったくカメラを意識せずに済むし、実際に撮影する時は最新カメラらしい高機能でしっかりとした写真が撮れる。
微妙なフレーミングのために足を動かせ!
桜や菜の花を撮影していて直感したのは、E-420はピントや露出にこだわるよりもフレーミングだけを意識して撮った方が楽しいということだ。もちろん、ピントや露出はオートでも正確に出る。しかし、このカメラの取り回しの良さが、そういった従来のセンスを超越させてしまうようだ。
例えば、今まではズームレンズで行なった微妙なフレーミングを足を使って行なうことに喜びを感じる。もっと望遠側にズームするべきシチュエーションでもカメラを縦/横位置にしたりしてフレーミングでかっこよく見せる努力をしたくなる。つまり、35mm判換算で50mm相当という画角にこだわって撮りたくなってしまうのだ。
しかも、レンズ先端から13cmまで被写体に近寄れるのでマクロ撮影もできる。ディストーションの補正も、全長23.5cmに押し込んだ光学系としては上出来だ。1EV絞れば、画質もかなりシャープになる。
なお、執筆中にこのパンケーキレンズ用のアルミ製レンズフード 「LH-43」の発売が、5月下旬に延期になったと連絡が入った。また、レンズフードキャップの「LC-34」 を同梱しないなど、商品構成にも変更があるそうだ。