データ交換のための隠れた超基本機能
現在のパソコン、あるいはそれに類する機器のユーザーインターフェースの機能として、広く使われていながらその実態はほとんど目に見えず、誰もが無意識のうちに利用しているもの、それがクリップボードだ。
クリップボードは、コンピューター内部に用意された一時的な情報の記憶領域で、ユーザーはほとんどどんなソフトにも備わった「編集」メニューにある「カット」「コピー」「ペースト」といったコマンドを通してアクセスできる。
クリップボードの1つの重要な機能は、データをある場所から別の場所にコピー、あるいは移動すること。そのためには、「ドラッグ&ドロップ」という直接的なインターフェースも開発された。この場合、データはクリップボードを経由せずに直接転送される。このほうが直感的でわかりやすいと感じられるが、同じデータを何カ所にも張り付けたいといった場合にはクリップボードを使うほうがはるかに便利だ。
ドラッグ&ドロップのバリエーションとしては、「クリッピングファイル」もある。これは、ほかの部分に転送したいデータを選択してドラッグするところまでは同じだが、目的の場所にドロップする代わりに、デスクトップにドロップすることで作成できる。ただし、この機能は現状のWindowsでは使えない。FinderやWindowsのExplorerでは、ファイルを直接コピー&ペーストすることも可能だ。ペースト場所によって動作はさまざまで、クリップボードの柔軟性を示す好例となっている。
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