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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第8回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

「マルチユーザー」サポート

2008年05月26日 18時49分更新

文● 柴田文彦

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かなり近づいてきたマルチユーザー環境

 現在では、Mac OSもWindowsも、複数のユーザーが1台のパソコンを無理なく使えるようにマルチユーザー機能を装備している。もちろん、そのような機能など利用しなくとも、1台のパソコンを複数のユーザーが順番に使ってもいい。しかしマルチユーザー機能があれば、個々のユーザーがパソコンに「ログイン」して使うことにより、自分専用に用意された環境で、お互いにプライバシーを確保しつつ、ほかのユーザーのファイルや環境には影響を与えることなく好きなように使える。言うまでもなく家族や、会社のグループなどで1台のパソコンを共有するような場合にはうってつけの機能だ。

 マルチユーザー機能を有効にするには、「アカウント」を作成する必要がある。アカウントは個々のユーザーを管理するためのもので、通常はひとりのユーザーにひとつのアカウントを割り当てる。このアカウントには、複数の種類があり、用途に応じて使い分けられる。MacとWindowsでは種類が異なる部分もあるが、結果的に大きな差はない。

 ひとつのアカウントに対しては、ディスクの中にひとつのフォルダーが確保され、その中はさまざまな用途に応じていくつもの領域にあらかじめ分割される。このあたりの仕組みも、領域の構成も、現在のMacとWindowsはよく似ている。他人の領域には例外を除いてそのままアクセスできない点も同じだ。さらに、それなりの権限があればアクセス権を変更して、他人のファイルやフォルダーを読んだり、書き込んだりできる仕組みが備わっている点も共通している。

アカウントの作成

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】システム環境設定の「アカウント」を開けば、新しいユーザーアカウントを作成できる。種類は「管理者」「通常」のほか「ペアレンタルコントロールで管理」などが用意されている

Mac vs Win

【Windows Vista】コントロールパネルの「アカウントの管理」から「新しいアカウントの作成」を選ぶと、新規のアカウントを作成できる。新しいユーザー名を入力し、ユーザーの種類を「標準ユーザー」と「管理者」のいずれかから選択する


ユーザーの「ホーム」フォルダー

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】アカウントごとに用意される「ホーム」フォルダーには、デスクトップに置いたファイルが格納される「デスクトップ」フォルダーをはじめ、「書類」「ダウンロード」「ライブラリ」など、最初からいくつかのフォルダーが用意される

Mac vs Win

【Windows Vista】Macと同様に個々のユーザーアカウントごとに「ホーム」フォルダーが確保される。構成は微妙に異なるが、その中には用途に応じたサブフォルダーが最初から用意されている


他人の「ホーム」フォルダー

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】そのために用意された「パブリック」フォルダーとウェブサイト用の「サイト」フォルダーを除いては、内部へのアクセスは禁止されているものの、他人の「ホーム」以下のフォルダー構成は見える

Mac vs Win

【Windows Vista】「ユーザー」の下にある他人の「ホーム」については、そのフォルダー構成すら見えない。ただし、管理者のパスワードを入力するなどしていったんアクセス許可を得れば、自分の「ホーム」と同じようにアクセス可能になる


アクセス権の変更

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】「情報を見る」コマンドを使って個別に「共有とアクセス権」を設定すれば、他人の「ホーム」内のフォルダーでも別のユーザーからアクセスできるようになる

Mac vs Win

【Windows Vista】フォルダーの「プロパティ」を開き、「セキュリティ」のタブを選べば、個々のユーザーに対するフォルダーごとのアクセス権も設定可能。アクセス権の種類は豊富だ


(次ページに続く)

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