キーボードは従来の機種よりクリック感を向上させている。キートップはコーティング処理により3倍以上の摩耗耐久性を実現しているという。
ThinkPadにしては極薄の秘訣は内部にあり!?
同社のA4ノートPC「ThinkPad T」シリーズから搭載されている、剛性を高めるためのシャーシフレーム「Roll Cage」。従来は、キーボード周囲は外装カバーとして別パーツとなっていたが、X300で採用された新しいRoll Cageは、キーボード周囲のパーツと一体化した。言い換えればキーボードがRoll Cageに装着される格好となり、これによりさらに剛性が上がっているという。47%の軽量化も実現した。
ディスプレー背面のパネルは、剛性の面から「GFRP」(ガラス繊維強化プラスチック)を採用したいが、GFRPは電波を通さないため無線LANのアンテナを配置できない。そのため、X300ではGFRPと電波を通す「CFRP」(炭素繊維強化プラスチック)を合成。パネル中心部はGFRPで、アンテナを配置する端の部分はCFRPで形成されている。
メイン基板は、インテルの「SFF」(Small Form Factor)向けパッケージを採用し、高密度配線仕様である「HDI」(High Density Interconnect)を採用することで、「ThinkPad T61」と同等の機能を、約50%の基板面積で実装できたという。
本体内部のエアフローも見直され、新設計の冷却モジュールはファンの部分を小さくして風切り音を低減させている。
フツーの人ならスルーしそうですが……
賛否の分かれそうな変更点
X300は従来のモバイルノート「ThinkPad X」シリーズの後継というより、「T」シリーズを小型化した製品と言えそうだ。IBMではなく、完全にレノボブランドとなったが、剛性や使い勝手、性能などを犠牲にすることなくこのサイズを実現した技術には、変わらぬ「ThinkPad」らしさを感じた。