久しぶりに、「ThinkPad」に奇抜なモデルが登場した。
26日に発売を開始したモバイルワークステーション「ThinkPad W700」は、デジタイザー(業務向けのタブレット)内蔵のノートパソコンだ。
といっても、ディスプレーがタッチパネルになっている「タブレットPC」ではなく、パームレスト部にデジタイザーそのものが埋め込まれているのである。
本機はCADや写真加工など、業務向けグラフィックス処理の分野がターゲット。内蔵されているデジタイザーはワコム製で、面積は128×80mm。ほぼB7サイズだ。
業務用途ということで17.1インチ(1920×1200ドット)の大画面ディスプレーを搭載し、さらにカラーキャリブレーション(ディスプレーの画質調整)システムを内蔵する。
普通は、業務用途のディスプレーのキャリブレーションは外付けのセンサーで計測を行なうが、W700では本体にキャリブレーション用センサーを内蔵している。
パームレスト部にセンサーが埋め込まれており、ディスプレーを閉じた状態で画面を計測。約1分でキャリブレーションが完了する。これも大きな特徴だ。
W700シリーズ最上位の「27585EJ」は、クアッドコアのCore 2 Extreme QX9300(2.53GHz)を採用し、グラフィックスにはNVIDIA Quadro FX 3700M(ビデオメモリー1GB)を搭載。200GB HDDを2つ内蔵し、出荷状態でRAID0構成となっている。記録型Blu-rayディスクドライブも搭載する。
ノートパソコンとしては最高峰のスペックだが、価格も73万5000円と飛び抜けている。
ThinkPadには名機と呼ばれる機種がいくつかある。トラックボールを内蔵した「ThinkPad 220」もいまだに語り継がれている伝説の機種だ。
爆発的に売れるかどうかはともかく、W700も後世に語り継がれる機種になるだろう。