日本オラクルは、2月5日、統合運用管理ツール「Oracle Enterprise Manager」の最新版「Oracle Enterprise Manager 10g Release 4」の提供を開始した。
新たにBIアプリケーションの統合管理運営を可能に
今回、日本オラクルより新たに発表された「Oracle Enterprise Manager 10g Release 4」は、約1年ぶりにバージョンアップされた統合管理ツール。従来製品に比べて「BIアプリケーション障害発生時の原因分析機能」「OSのパッチ自動更新機能」が新しく搭載され、Javaアプリケーション障害発生時の原因分析機能が強化された。
一般的にビジネスアプリケーションを動作させる場合、アプリケーションそのものとそれを動作させるためのサーバOSやデータベースを提供するベンダーが異なるため、単一のツールによる統合管理ができない。したがって、アプリケーションやサーバ、それぞれに専用の管理ツールが必要となるケースが多い。日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏によると「このような状態でビジネスアプリケーションに障害が発生した場合、運用管理ツールが統合化されていないために、原因究明が長期化する問題があった」と述べる。
Oracle Enterprise Managerはこのような問題を避けるため、アプリケーションやアプリケーションサーバ、データベース、OSといったソフトウェア製品を統合して管理を行なう製品。ビジネスアプリケーションを動作させるシステム全体を統合して管理できるため、さまざまな専用管理ツールを導入してる場合に比べ、すばやく問題を発見できる。今回のRelease 4からは、新しくオラクルのBI製品「Oracle Business Intelligence Enterprise Editon」に対応した。
本製品はオラクル製品同士を組み合わせたシステムを統合管理するだけでなく、他社製品のアプリケーションサーバやOSなどにも対応しているため、さまざまなシステムでの統合した運用管理が可能になっている。
また、本製品からOSのパッチを自動的に適用させる機能が加わった。Windowsには「Windows Update」という自動更新ツールがあるが、LinuxなどのOSでは管理者が手作業でパッチをあてているケースが多く、運用面での負担が大きかった。
「Windows以外のOSを使用しているユーザーは、これまでのパッチ処理の工数を大幅に削減できる。また今後データセンターの運用を考えている企業が低コストでサーバOSを運用するためにはこういった機能が欠かせない」(三澤氏)
さらに、今回新しくJavaアプリケーションの障害の原因分析機能が強化された。以前のバージョンにもJavaアプリケーションの状況を把握する「定常監視」機能は搭載されていたが、今回新たに障害のボトルネックの特定や詳細な分析を行なう「障害対応」機能が搭載された。
「これまでSIerのような専門家しか特定できなかったJavaアプリケーションの障害原因を、ユーザーのシステム管理者が簡単に特定できる。そのため、問題分析のコストを大幅に削減できる」(三澤氏)
Oracle Enterprise Manager 10g Release 4の価格は1プロセッサあたり37万5000円。日本オラクルは2008年に同製品で30億円の売上げを目標としている。