このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

あの最新機種の使い勝手は?

【レビュー】既存ユーザーから見たソニーBDレコーダー「BDZ-X90」の真実

2008年02月05日 12時00分更新

文● 編集部 川添貴生

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

次世代光メディアへの移行を決定付けた!?
全モデルBD搭載のソニーのHDDレコーダのラインナップ


 HDDレコーダーの進化が続いている。冬商戦モデルで注目されたのは圧縮率の高い「MPEG-4 AVC」(H.264コーデック)のサポートで、従来よりも低いビットレートで高画質の番組録画可能となった。また、これまで次世代DVDと言われてきた、Blu-rayディスク(BD)とHD DVDドライブを搭載する製品が増えたことも注目すべきポイントだろう。ワーナーブラザーズがBDへの一本化を決定したと発表されたことで、規格戦争には大きな一石が投じられることになったが、いずれにしてもDVDから次世代規格への移行が今後加速するのは間違いない。

 こうしたHDDレコーダーの最新モデルとして、ソニー(株)は「BDZ-X90」「同L70」(関連記事)「同T70」「同T50」の4製品を発表した。従来、各メーカーのHDDレコーダーのラインナップにおける差別化というと、HDDの容量が大きなポイントとなっていたが、今回ソニーでは「ハイエンドモデル(全部入り)の“X”」、「ビデオカメラで撮影した映像の保存を前面に押し出した“L”」、「テレビ録画に特化した“T”」と性格を切り分けたのが大きな特徴となっている。

ソニーのBDレコーダーで最上位に位置する「BDZ-X90」。H.264コーデックによる録画もサポート

 共通する特徴としては、いずれもH.264形式での録画のサポート、そしてBDドライブの搭載だ。これまでBDドライブ搭載機と言えばアーリーアダプターに向けた製品というイメージが強かったが、全モデルがBDドライブ搭載機となったことで、いよいよ普及期に入ったことを実感させる。またドライブだけではなく、使い勝手の面でも細かな改良が施されている。ここでは、普段あまり触れられないユーザーインターフェイス面での改良点について紹介したい。



指定した条件にマッチした番組を
リストアップする「お気に入り番組表」


 HDDレコーダーにおける操作性を左右するポイントとして、予約録画が簡単にできるかどうかが挙げられる。確かに画面上に表示される番組表から録画したい番組を選んで予約すればいいHDDレコーダーは、チャンネル番号や開始/終了時間を1つずつセットしたり、Gコードを調べて入力するVHSデッキの時代から考えればずいぶんと進化した。ただ地上波にBS、さらにCSとチャンネル数は以前に比べて大幅に増加しており、この中から録画したい番組を探すのは骨の折れる作業である。また番組表が表示されると言っても、現状のテレビでは新聞のテレビ欄のように見通しよく表現されるわけではない。こうした課題の解決策になりうる機能が、BDZ-X90に搭載された「お気に入り番組表」である。

 この機能は事前に設定された条件(ジャンルや出演者、放送波など)に従って、その後放送される番組の中からリストアップしてくれるというもの。なお予約録画の手順は、通常の番組表を使った際と基本的には同じだ。

出演者など指定した条件に合致する番組をリストアップしてくれる「お気に入り番組表」

出演者など指定した条件に合致する番組をリストアップしてくれる「お気に入り番組表」

条件を指定するためのインターフェースにも細かな配慮があり、戸惑うことなく操作できる

条件を指定するためのインターフェースにも細かな配慮があり、戸惑うことなく操作できる

 これに近い機能として、ソニーのHDDレコーダーには以前から「x-おまかせ・まる録」機能が搭載されていた。x-おまかせ・まる録は、指定された条件に合致する番組を自動的に録画するという機能で、また、ユーザーの操作(録画した番組を“再生した”かどうかなど)によってユーザーの「好み」を分析し、オススメの番組を自動的に録画してくれる学習機能まで備えている。つまり、両者で異なるのは単に条件に合った番組を表示するだけなのか(お気に入り番組表)、それとも録画まで自動で行なってくれるのか(x-おまかせ・まる録)という点になる。

 自動で録画までしてくれるx-おまかせ・まる録があれば、お気に入り番組表の機能は不要だと感じるかもしれない。確かにx-おまかせ・まる録を活用しているユーザーにとってはそうかもしれないが、ユーザーによってはそれほど視聴したいと思わない番組まで録画されてしまうことへのフラストレーションは小さくない。実際、筆者もx-おまかせ・まる録が搭載された同社のレコーダーを日常的に利用しているが、録画されても結局見ない番組を削除する作業が不毛に思えたため、この機能を使わなくなったクチだ。一方お気に入り番組表であれば、条件に合致した番組がリストアップされるだけで、実際に録画するかどうかはユーザーが判断するため、確実に見たい番組だけを録画することができる。

 ちなみに、両機能を併用する使い方も当然あり得るだろう。例えば、出演した番組は“必ず”見たいと思うアイドルについてはx-おまかせ・まる録で確実に録画し、司会者やそのほかの出演者との相性を勘案して録画するかどうかを決めたいお笑いタレントならお気に入り番組表を使う、などと使い分けるのも一つの手だ。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中