自由に改変し、作品の広がりを
ちなみに、現在アップされている動画は、ロードローラーの曲がないかと探していたmerakia氏が、honorary_chairman氏の曲を気に入って声をかけたのがきっかけで誕生した。
honorary_chairman氏が楽曲を発表していたのが、クリプトンが運営するクリエイターの発表・交流の場である「ピアプロ」だ。
元ネタとなる動画では、唐突にロードローラーが現れる。この動画が発表されたのは12月1日であり、まだ鏡音リンは発売前である。髪の色が同じ黄色というだけでロードローラーというインパクトがウケたのだろうか。
実は「WRYYYYYYYYYN!!!!」は荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」でDIOがロードローラーを落下させる時に言う台詞だ。これが「リーーン」と聞こえるために、動画の「ロードローラーだ、WRYYYYYYYYYN!!!!」という組み合わせが出来上がったと思われる。
【動画】初音ミク「すいません・・・、鏡音リンを予約したいのですが・・・」
作者:loadorigin氏
「リン=ロードローラー」を決定づけた動画。唐突に現れるロードローラーは非常にインパクトが強い。
動画の反響についてhonorary_chairman氏は、
「まず、動画が付いたことは非常に大きな出来事でした。これによっていろいろな方、今までの『一個人』では到底ありえないほど、いろいろな方に曲を聞いていただいています。しかも、発表から成り上がるまでの時間が短い。事実、(ピアプロでの曲の発表から)まだひと月とたっていません。(楽曲を)改変可能としたことで、ひとつの素材としての楽曲がいろいろな解釈をされていく様子は、大変興味深いです」
と話している。
また最近問題になっている著作権の問題についても「リンとレンの楽曲がロードローラーに乗って少しだけヒビを入れられた」と考えているそうだ。これは、視聴者からもらったコメントを参考にして作者が曲を修正したり、誰でも改変可能にするなど「顔の見える関係」から曲ができあがったことが関係しているという。
VOCALOIDとニコニコ動画によって、今後も新たなクリエイターとすばらしい動画が次々と世に生まれ続けていくだろう。キャラクター・ボーカル・シリーズは、すでに第3弾の発売も予定されている。今度はどんな髪の色&アイテムで、ユーザーの間に広がっていくのだろうか。楽しみである。