(社)デジタルメディア協会は10日、2007年に発売・発表されたデジタルメディアで表現されているコンテンツやサービスを表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'07/第13回AMDアワード」(以下AMDアワード)の授賞式を東京・千代田区のホテルグランドパレスにて開催した。大賞/総務大臣賞には、任天堂(株)の据え置きゲーム機「Wii」の周辺機器「Wii Fit」が選ばれた。
AMDアワードは「コンテンツ制作者の立場からの、デジタルコンテンツ産業の発展や作品の質的向上、人材育成」などを目的として、1995年に制定されたもの。13回目の今年は、2007年1月1日から12月31日までに発売・発表されたデジタルコンテンツの中からAMDアワードサポーターにより推薦された作品を対象に、審査委員会により審議、決定された。
開催式の主催者挨拶として(株)コーエーの取締役名誉会長であり、デジタルメディア協会 理事長の襟川恵子氏は、「いつもは総務大臣、もしくは副大臣が出席されていたが、今回は国会が不安定なため、出席できなかった。私が今回から理事長なのに前途多難だ」と述べて、会場を沸かせた。
さらに、今後の活動について「これから今まで経験したことのないデジタルメディア時代がやってくる。さまざまなドラマが展開されると思うが、AMDは精一杯努力していく」と、意気込みを述べた。
各賞と受賞者は以下のとおり(敬称略)。
- 大賞/総務大臣賞
- 任天堂「Wii Fit」
- AMD理事長賞
- (株)魔法のiらんど「恋空プロジェクト」
- 優秀賞
- アップルジャパン(株)「iPod touch」
(株)角川モバイル/(株)NTTドコモ/(株)角川ザテレビジョン/アスミック・エース エンタテインメント(株)「きまぐれロボット」
日本放送協会「着信御礼! ケータイ大喜利」
(株)ドワンゴ プランニング アンド ディベロップメント/(株)エレファント「ねこ鍋」
(株)フジテレビジョン「ノイタミナ」
クリプトン・フューチャー・メディア(株)「初音ミク」
- 功労賞
- (株)ポケモン代表取締役社長石原 恒和
- 江並直美賞
- 勅使河原一雅(ウェブデザイナー)
- リージョナル賞
- (株)ネットトレンド「ミヤング」
大賞を受賞したWii Fitは、誰でも遊べる家庭用ゲーム機「Wii」に、現代人の健康問題を取り入れた「バランスボード」という入力機器を組み合わせた大発明を称えるとして、大賞受賞の栄誉を勝ち取った。
受賞者の代表として、任天堂の専務取締役情報開発本部長の宮本茂氏が登壇した。宮本氏は「Wii Fitの開発のお陰でBMIが22台に突入した。Wii Fitはハードを設計するチームやセンサーを開発するチームなど、大勢の方に関わってもらって開発した商品だ。そのお陰で、久しぶりにAMDアワードに呼んでいただけた」と、製作スタッフへの感謝の言葉を述べた。最語に宮本氏は開発するにあたり、スタッフから「これ、本当にやるんですか?」と何度も聞かれ、大変な悩みの中で開発されたと述べた。宮本氏はこれから春以降に世界中でWii Fitを発売するにあたり、「日本のコンテンツは力がある、ということを示していきたい」と意気込みを語った。
また優秀賞には、アニメを見ない若い女性を開拓するためのアニメ編成枠として開始されたフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」のほか、ネットが作る合作コンテンツの新たな可能性を示したとしてクリプトンの音声合成ソフト「初音ミク」などが選ばれている。
