このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

おとなの社会科見学 Web版 第7回

インターネットで選挙は変わるか? 神田敏晶さん流選挙活動を追ってみた

2007年12月20日 00時00分更新

文● 山崎マキコ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 じゃあ民主党のサイトとかはどうなのって疑問が当然浮かんでくると思うけど、党としてのサイトというのは『選挙活動』ではなく『政治活動』だから問題ないっていうんである。なんだか口があんぐり開きませんか? 神田さんのように無所属の候補者は、自分のサイトの更新が一切禁じられているというのに。訳わからん。

 つまり、インターネットで活動しようにも、我が国ではその方法が最初っから封じられていたわけである。神田さんが唯一ネットを使った武器として使えたのは、ポッドキャストだけ。音声だったら『図画の更新』にあたらないって解釈らしいんだけど、正直、かなり苦肉の策だと思う。アメリカは今度の大統領選を“YouTube選挙”って言ってるらしいのに、我が国の法整備ってどうなってんでしょうか。このように現行の公職選挙法は不思議なことがいっぱいで、そのへん本誌のほうにも書いたんだけど、ここは本誌で触れなかったネタなど。

 神田さんに聞いてもうひとつおどろいたのが、

「政党の作り方」

である。神田さんは今回の選挙戦を通して体験したことから次にむけて考えたのは、

「政党をつくろう」

ということらしい。神田さん曰く、

「今回びっくりしたのは、僕も政治団体作れちゃうんです」

とのこと。それじゃあ、政治団体を作るために必要なものはなんでしょう。当然そう問いが出てくる。するとびっくりしたことに、政党を作るのは超簡単だったのである。

「政治活動していることと、あと、政治家もしくは立候補者を持っていること。この二点」

 冒頭で述べたように、参議院選に立候補するには、300万円の委託金というのが必要で、ある割合の得票がないと、委託金は没収される。では政治政党にも委託金が必要なんじゃないの? と想像するわけだけど、違うらしいのだ。

「委託金はいらないです。でも立候補者ってどこまでかというと、供託金払わずに立候補している段階で作れちゃうんですよ」

 つまりタダってことらしい、政党を作るのは。

 そして政党を作ることによってどういう特典があるかというと、

「企業からの献金を受け入れられる」

というんである。では無所属の人はどうかというと、個人しかもらえないっていうんだから、首をひねってしまうのである。政治とお金って、どろどろしてるなあ、本当に。

 残念なことに、神田さんは今回の参院選では当選できなかったんだけど、世の中にこうしたことを訴えたということだけでも、素晴らしかったとわたしは思う。神田さんかく戦えりという記録は、本誌のほうでご覧ください。

(名称・数字・肩書等は取材当時のものです)

前へ 1 2 次へ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中