月刊アスキー 2007年3月号連動記事
みなさんこんにちは、山崎です。今月は、NPO法人 産学連携推進機構の理事長を務める、妹尾堅一郎先生にお会いしてきましたよ。
妹尾先生はなにかとアキバに縁の深い方で、月刊アスキーの読者ならば「アキバ・ロボット運動会」の仕掛け人と紹介したほうが馴染み深いかもしれない。あと、妹尾先生には、あまり知られていないアキバとの縁というのがあって、秋葉原クロスフィールドのプロデューサーでもあるのだ。
2006年3月以降にアキバを訪れた人なら、アキバの駅前に二棟の高層ビルが立っているのをみてびっくりしたことがあるだろうと思うんだけど、あの二棟のビルが秋葉原クロスフィールドだったりする。で、プロデュースするにあたっては、ビルに産学連携の機能を盛り込むというのが東京都側からの条件だったそうなのだが、全国各地に「誰も寄りつかない産学連携雑居ビル」があまた存在するのを知っていた妹尾先生は、人が集まり、産業が育つ再開発とは何かを考え抜いた。その過程を描いたのが妹尾先生の著書である『アキバをプロデュース 再開発プロジェクト5年間の軌跡』という本で、街づくりとはいかにあるべきかが語られている。
妹尾先生は著書のなかで、メガロポリスの各街というのはとんがるべきだというお話をされている。アキバはテクノロジーの街として、神保町は文系の故郷として、上野は芸術の街として、エッジの立った街にすることが街を栄えさせるポイントであると。そのあたりを詳しく聞いてみると、
「東京は再編の時期に入っていて、それぞれが自分の役割の再定義、アイデンティフィケーションをしなおす時期なんじゃないかなと思っています。例えば御徒町だと宝石、ジュエリータウンとして定着したものを次の段階へどう移行させるかを考えたほうがいい。ある方向性がうまくいかなくなったから他にしようというのは、僕はナンセンスだと思うんですよ。それまでの蓄積を活かす方法を考えましょう、と」
ここでわたしたちは、妹尾先生から「発展」と「成長」の違いを教わることになる。あとで解ったのだが、これが街づくりを考えるうえでの大きなポイントだった。
「政府の皆さんに話をするときには『あなたは日本の経済を成長させたいんですか、発展させたいんですか』と聞くんです。また僕は企業の研修を沢山やってますから、企業研修で『ご自分の企業を、成長させたいんですか、発展させたいんですか』と。
それで街に関する人たちには『あなたの街を成長させたいんですか、発展させたいんですか』と聞くんです。そうすると、大部分の方は、『そもそも成長と発展の違いがわからん』という答えをされますよね」
すいません、わたしたちも、ちょっと解りません。
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