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松岡美樹の“深読みインターネット” 第1回

「ブクマ・ジャーナリズム」はマスコミを屈服させるか?(前編)

2007年11月08日 07時00分更新

文● 松岡美樹 イラスト●さとうゆり

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ボツになった理由より「記者の変化」に注目した


 では毎日新聞の取材はどうだったか? その前に取り上げた産経とくらべれば、ぶっちゃけ毎日のネットに対する傾斜度は浅い(というか産経がそれだけ突出してるってことだが)。

 だけど毎日新聞社の高島部長は(ふつうなら言いにくいであろう)この点にもちゃんとふれていたし、社内のネットに対する意識改革が進まない部分についても率直に明かしていた。まあいえば、四苦八苦しながらも前に進んでるわけだ。

 そしてブクマ・コメントで論評されたあの話の部分は、一進一退しながらも、少なくともこの程度までは記者の意識が変わりましたよという話の流れで出てきたコメントなのだ。

 だから私は「本紙に記事を載せられなかった理由は何か?」よりも、記者が自分から記事をウェブに出そうと発想するようになった点に価値を認めた。で、プラス評価したのである。

 さて長い前フリは終わりだ。本題はこれからである。次回の後編では、今までの話にCGMをからめて考えてみよう。前編で解説したような職業ライターの作業とくらべ、コンシューマが作るCGMにはどんな長所と短所があるのか?

 またネット上ではプロの仕事とCGMがせめぎあっている。では両者のぶつかり合いから、いったい何が生まれてくるのか? ネット社会の未来像もふくめて考察しよう。

松岡美樹(まつおかみき)


新聞、出版社を経てフリーランスのライター。ブロードバンド・ニュースサイトの「RBB TODAY」や、アスキーなどに連載・寄稿している。著書に『ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け』(RBB PRESS/オーム社)などがある。自身のブログ「すちゃらかな日常 松岡美樹」も運営している。

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