映像配信、PIP、コミュニケーション
……広がるSilverlightの活用事例
続いてスミス氏はさまざまなテクノロジーを紹介しつつ、それぞれのテクノロジーを導入した最新事例について、導入したユーザーによるデモとともに紹介した。まずはじめに早々とSilverlightを導入した事例として、“GyaO”(ギャオ)と“野村證券”の事例が紹介された。
GyaoがSilverlightでMacユーザーにも門戸を開ける
しかし、DRM配信はまだ……
USENの松本武史氏
最初に(株)USENのコンテンツプラットーフォーム事業部ゼネラルマネージャの松本武史氏が登壇し、同社が提供する動画配信サービス「GyaO」においてSilverlightを使った動画配信を10月中旬に提供開始することを発表した。
松本氏は、Silverlight採用の理由を「Mac対応」と「Flashにはない表現方法の自由度」と説明した。現在、GyaOの動画配信環境はWindowsに限られており、「サービスの開始当初よりユーザーからの問い合わせのトップは常に『なぜMacでGyaOが見られないのか？』でした」と松本氏は明かした。しかし、すでにMacユーザーには「Boot Camp」（Mac OS上でWindowsを動作させるデュアルOS起動ソフト）という選択肢があり、どうしてもGyaOが見たいユーザーにとっては解決した問題とも言えるが、OSを切り替える手間やお金を掛けてまでGyaOを見たいと思わない“一般のMacユーザー”にとっては、SilverlightプラグインをインストールだけでGyaOが見られるのはありがたいことだろう。
SilverlightでMacユーザーも映画の予告編が楽しめる
ただし、Silverlightでのサービススタートは映画の予告編配信からとのことで、通常の動画配信サービスのスタートまでにはまだ時間がかかりそうだ。同社では併せて10月6日にTBS系で放送開始される「機動戦士ガンダム00（ダブルオー）」の放送後翌週配信のサービスを行なうと発表したが、こちらはこれまでの配信方法であり、MacユーザーがSilverlightを使ってガンダムが観られるようになるのは、DRM機能を搭載した「Silverlight 1.1」が2008年初頭に無事提供されてからのことになりそうだ。
ガンダムがSilverlightで見られるのはいつ？
松本氏は「Silverlightの普及率をなるべく早く100％にしていただきたい。Silverlight 1.1の提供を年明けと言わず、年内中のリリースをお願いしたい」と率直な要望を語った。
野村證券は個人向け金融サービスで
新たなエクスペリエンスを提供
NRIの松岡清一氏
続いて、NRIネットワークコミュニケーションズ(株)のウェブマーケティング事業部部長の松岡清一氏が登壇し、Silverlightを使ったPIP（パーソン・イン・プレゼンテーション）の実例として「野村證券バーチャル店舗」のコンテンツを紹介した。これは同社が扱う金融商品について、インタラクティブな動画をベースに説明を行なうコンテンツとなっている。
松岡氏は「こうした（金融のような）コンテンツはテキストでは分りにくく、表現が難しい。PIPによって、これまで興味を持たなかった人に対して（詳しい情報を）提供でき、新しい（ビジネスの）チャンスとなります」と語った。
NRIが開発した「野村證券バーチャル店舗」
SilverlightでJ1 ジュビロ磐田や
アーティストアイ武川さんのコンテンツを配信
GMOの佐藤秀忠氏
続いて、Silverlightの配信サービスを支えるホスティングサービス「Windows based Hosting」を導入した事例として、GMOホスティング＆セキュリティー(株)のホスティング事業推進本部サーバー企画開発部部長の佐藤秀忠氏が登壇した。
佐藤氏はSilverlightホスティングサービスの導入事例として、Jリーグのジュビロ磐田の関連ウェブサイト「Jubilo Channel」と、新進アーティストのアイ武川さんのウェブサイト「aitakekawa.net」を紹介した。いずれもチームやアーティストとファンをつなぐコミュニケーションを主体としたサイトで、Silverlightを使った動画配信サービスを提供することで、チームやアーティストの魅力を引き出すことに注力している。
ジュビロ磐田の「Jubilo Channel」。Silverlightを使って選手のインタビュー映像を配信している
「aitakekawa.net」ではPVを配信。アイ武川さんはタケカワユキヒデ氏のご息女だ
