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【インタビュー】Skimee開発者に聞くAIRの実力

サイバーエージェントの“Skimee”が、Adobe AIRのオープニングベルを鳴らす

2007年09月06日 21時00分更新

文● 千葉英寿

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“Apollo”(アポロ)の開発コードネームで呼ばれてきた米アドビ システムズ(Adobe Systems)社の新しいウェブアプリケーション・プラットフォームが、正式名称“Adobe AIR”としてβバージョンがリリースされたのは6月12日(日本時間)のこと(関連記事1)。それからわずか1ヵ月後の7月12日に、インターネット広告企業で大手の(株)サイバーエージェントからデスクトップ動画視聴ソフト『Skimee』(スキミィ)が、国内初のAIRアプリケーションとして正式発表された(関連記事2)。AIRアプリケーション開発の経緯について、サイバーエージェントの開発チームに話をうかがった。また、併せてほかのデベロッパー(開発会社)の動向についてもレポートする。

Adobe Labsの画面

米アドビ システムズが7月11日に公開したAdobe AIRのランタイムとSDK。いずれもAdobe Labsから無料で入手可能だ

米アドビ システムズは7月11日に、ウェブアプリケーション・プラットフォーム“Adobe AIR(Adobe Integrated Runtime)”(以下、AIR)のランタイムとSDK(ソフトウェア開発キット)のβバージョンをリリースし、無償提供を開始した。これは以前までコードネーム“Apollo”として、ユーザー向けイベントや記者説明会など、さまざまな場面で言及してきた、同社が注力する戦略技術のひとつだ。

Macromedia MAX 2005で公開されたApolloのコンセプト

旧マクロメディアが2005年の開発者向けイベント“MAX 2005”で最初に発表した“Apollo”。当時はHTML+Flashという図式がコンセプトとして公開されたが、その後は具体化するにつれてPDFやAjaxなどの技術も取り込まれていった

そもそもApolloは、旧米マクロメディア(Macromedia)社が開発者向けイベント“Macromedia MAX 2005”で“Flash+HTML”のデスクトップアプリケーション環境として紹介していたもの(関連記事3)。その後のアドビとの統合・合併を経て、実に2年越しで“Flash+PDF+HTML+Ajax”の融合として変貌し、脱ウェブブラウザーの急先鋒としてのAIRへと成長してきた。Flashデベロッパーにとってはこれ以上もないチャンスであり、インターネットサービスをビジネスの要と考える企業にとっても最大関心事のひとつと言えるだろう。

アドビ システムズにとっては、企業統合してまで押し進める一大プロジェクトと言えるAIRであればこそ、同社がしきりに紹介している米イーベイ(eBay)社の取り組みのように、当然日本でも大いに盛り上がることを期待しているはずだ。しかし、AIR(Apollo)そのものは技術面などで話題に上るものの、コンテンツ開発に着手したことを表明するところが続々、というような盛り上りには至らない状況だった。ところがβバージョンが投入された途端に、次々にAIRアプリケーション開発の動きが顕在化してきたわけだ。そこで一番に名乗りを挙げたのがサイバーエージェントの“Skimee”というわけだ。

Skimeeの画面。メニューバーの中央左寄りのボタンをクリックして、動画を表示する画面を開いたり、折り畳んだりできる

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