マイクロソフト(株)は19日、東京国際フォーラムにおいて次世代ウェブカンファレンス「REMIX07 TOKYO」を開催した。REMIXとは、米国で開催しているウェブクリエイター向けカンファレンスイベント「MIX」の米国外バージョンで、日本においても「REMIX06 TOKYO」に続く2回目の開催となった。REMIX07は“次世代ウェブを体感する”をコンセプトに、コンテンツとテクノロジー&サービスを組み合わせて実現する“Software+Services”を、26のカンファレンスと展示を通じて体感するイベントだ。なんと言っても話題の中心は、Adobe Flashの対抗と言われ、次世代ウェブの要とも言える「Silverlight」(シルバーライト)。まだ登場したばかりの同技術が、どのように導入され、どんなサービスが展開されるかに注目が集まった。
Software+Servicesでデベロッパーとデザイナーをつなぐ
カンファレンスのスタートを切ったキーノートでは、マイクロソフトの代表執行役社長兼米マイクロソフト社のコーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏が「Innovate your web knowledge」(あなたのウェブ知識を革新せよ)と題して講演した。ヒューストン氏は、まずこのところのテクノロジーのトレンドを示して、次のように述べた。
「PCは5年前と比較して10倍パワフルになりました。ユビキタスブロードバンドが普及し、スマートフォンなど新たなモバイル端末が登場しています。ストレージはますます際限がなくなり、高品質なディスプレーによりラップトップでもハイディフィニション(HD)のコンテンツが見られるようになりました。また、任天堂の『Wii』のように自然なユーザーインターフェースが登場し、基本的な考え方の革新が進んでいます。歴史的にこの10年で大きく変化しました」
さらにヒューストン氏は「(弊社は)プラットフォームの壁をなくして、イマジネーションをウェブにのせて行くお手伝いをしてきました。一番ホットで急速な業界にあって、Software+Servicesのビジョンで進んでいますが、今日はそれを超えるものを提供します。Software+Servicesによって、デベロッパーとデザイナーをつなぎ、協調することができるようになります。今日は、エンドユーザーの体験を変え、ライフスタイルを変える、これからどうなるのか知る一日になります」と語った。
Silverlightがリッチなエクスペリエンスを実現する
次に米国レッドモンドからのゲストとして、米マイクロソフトのディレクター オブ プロダクトマネージメント UXプラットフォーム&ツール担当のキース・スミス氏が登壇し、「The Next Web Platform」と題し、次世代のウェブプラットフォームについて語った。
まず、スミス氏は、HTMLやJavaで表現される「Universal Web」と、Vistaをターゲットにエクスペリエンス(リッチなユーザー体験)を優先する「Experience First」があるとし、Universal Webの幅広さとデスクトップでのエクスペリエンスを実現するExperience Firstを両立するものとして、リッチクライアントウェブアプリケーション「ASP.NET AJAX」とクロスプラットフォーム/クロスブラウザーのウェブ技術「Silverlight」、Windows Vistaアプリケーション「WPF(Windows Presentation Foundation)」の3つを組み合わせた「Microsoft User Experience Platform」を示し、これによりリッチなエクスペリエンスを提供するとした。
とりわけSilverlightについては、「Mac OSでも動作するもので、Firefox、Safariでも動きます。もちろんWindowsでも動くし、Linuxでも動作します。クリエイティブプロが抱えているいろいろな課題を超えられるものだと思います」とした。また、 Silverlightが実現するメディア・エクスペリエンスとして、アプリケーションに柔軟に動画が取り込め、AjaxやJavaScriptなどのテクニックが使えるとし、配信もWindows Media Serverに対応する、とした。