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シリーズ【疑問】 第12回

ドコモの「データ定額制」は、誰に向けたサービスか?

2007年09月20日 09時00分更新

文● 編集部

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エリアの広さは魅力、使い方次第ではイー・モバイルより安価なケースも?


Q パソコンから使用する場合、ドライバーソフトなどはどうなる。
A
 詳細は明らかになっていないが、専用クライアントソフトのインストールが必要になる。

Q 音声通話未対応でもVoIP(インターネット電話)を使う方法がありますね。可能ですか?
A
 定額プランでは、ウェブブラウジング、メール送受信、YoutubeのようなFlashを利用した動画ストリーミングを利用可能。ただし、残念ながら帯域占有率の高いアプリケーションの利用には制限が加わる。

 具体的に言うと、SkypeなどVoIPソフト、FTP、P2P通信、オンラインゲーム、Windows Media Playerによる動画ストリーミングなどだ。ドコモ広報部によると「サービス開始段階にあり、ネットワークにどの程度の負荷がかかるか現状で手探りの段階。ニーズや帯域の余裕をみながら対応可能なアプリケーションを広げていく予定」だという。

Q HSDPAで接続可能なエリアは?
A
 6月末時点の人口カバー率は82%。2008年3月までには90%に達する見込み。大都市圏はおおむね対応できているとのことで、接続可能なエリアの広さは魅力のひとつと言える。

Q ほかのキャリアの定額データ通信サービスと比較した場合のメリットデメリットは?
A
 3大キャリアでデータ通信サービスを採用したのはドコモが初だが、イー・モバイルやウィルコムなど、定額制のデータ通信サービスを提供している企業もある。

イー・モバイルとの比較
サービス名 定額データプランHIGH-SPEED データプラン ライト
データプラン
キャリアー NTTドコモ イー・モバイル
転送速度 下り:最大3.6Mbps
上り:384kbps
月額料金 4200円(64MBまで)
上限1万500円(128MB以上)
5980円 3480円(17MBまで)
上限6480円(52MB以上)
サービス
エリア
全国(人口カバー率82%)
6月末現在
全国主要都市部
7月現在

 イー・モバイルのサービス概要に関しては関連記事を参照のこと。ドコモのサービスの特徴としては、転送速度が高速であること(HIGH-SPEEDプラン選択時)、対応エリアが広いこと、通信内蔵パソコンやスマートフォンが用意されていること──などが挙げられる。ただし、料金が他サービスに比べて高くなることが多いこと、HSDPA端末を所有していない場合、新規に入手しなければならないこと、インターネット接続時にできることに上に述べたような制限がある点などはデメリットだ。

比較図

料金の比較

 ちなみにイー・モバイルの割引を考慮しない場合、ライトデータプランの料金が4200円を超える約29万パケットから、定額データプランHIGH-SPEEDの料金が5980円を超える約57万パケットまでの間は、イー・モバイルよりもドコモのほうが安価になる。

 以上を考慮すると、データ定額制を選択すべきユーザー像はまずイー・モバイルなど他社の接続サービスが利用できない地域で、何はなくても高速なデータ通信を行ないたい人。さらに、イー・モバイルが利用できる地域でも、50万パケット前後の通信が行なえれば十分という人であれば、イー・モバイルより安価になる可能性がある。

 注意点としては、データ通信専用の端末を用意しないといけない点がある。このサービス開始に伴い、通信内蔵のパソコンも登場しているので、無線LANなどが使えない環境などでも、重要なメールなどをきっちりと受信したいという層には、それなりに有益なサービスになりそうだ。

 HSDPAで高速な通信を行ないたい、ある意味「ヘビーユーザー層」とこれがどの程度マッチするかは判断が難しいが、ある種ピンポイントで、有効に活用できるサービスと言える。現状のサービス内容で満足できるユーザーはそれほど多くはないかもしれないが、使用できるインターネットアプリケーションの種類が増える、料金面でよりリーゾナブルになるなど、条件が整ってくれば、より魅力的なサービスになる可能性はあるだろう。1ユーザーとしては、そのあたりの充実をぜひ要望したいところだ。

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