忘れがちだが、機能面に優れている点も注目したい
百度のMP3検索は、著作権について“OKかNGか”ばかりが取り上げられがちだ。しかし、ネット上のMP3ファイルを検索して、ブラウザーで結果を表示。さらにブラウザー経由でダウンロードから再生までできてしまうインターフェースはまんざらではない。
百度は本国中国では百度版デスクトップサーチの“硬盤捜索”(直訳するとハードディスク検索)をリリースしているが、ここでは、同社が培ったMP3検索技術も搭載されている。すなわち、硬盤捜索はウェブブラウザー上でローカルPC内のMP3検索を行なってくれるのだ。
百度MP3検索は、日本ではなおさらのこと著作権的にはグレーで、百度自身も日本進出時にMP3検索は当面提供しないとコメントしている。
日本でのMP3検索に対する風当たりの強さは、百度自身も承知しているのだろう。なので、百度日本が今後もオンライン版のMP3検索サービスを提供するのは現実的でないが、しかし一方で先に紹介したローカルHDD内に絞ったMP3検索サービスは魅力的な存在だ。著作権的にも自身のPCの中のMP3ファイルを検索するだけなので問題ないだろう。
願わくばローカライズされた硬盤捜索日本語版を見てみたい。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。