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なぜiPhoneは人々を熱狂させるのか?(後編)

2007年07月09日 08時00分更新

文● 林信行 (ITジャーナリスト)

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人の心を動かす“もの作り”とは?


 今回のiPhone発売という一大事件には、“世の中を変えるくらいに大きなインパクトのある製品を作るためにはどうしたらいいか”というアイデアが隠されている気がする。

 われわれがアップルから学べることは、まず最初に「利用者にとって最も望ましいのはどういう製品なのか」を、すべての前提を取り払って十分に議論することだ。

 その際に重要なのは、議論に挙がった機能をただ付け足していくのではなく、いかにシンプルで使いやすい形を保ったままそれらを盛り込むかを考えることだろう。いくつかのアイディアを追加しては、それらがデコボコにならないようにならす。こうした議論を繰り返して、まるで粘土細工のアート作品を作るようにして理想の形を練り上げていく。

 この後のステップも大変だ。多くの人は“理想”はあくまでも“理想”であり、“現実”の反対語として捉えてしまっている。そして製品化の段階で壁にぶち当たる度に妥協をしてしまう。だが、あきらめる前に、「もしかしたら壁のほうを作り替えられないか」と考えるのがアップルの流儀だ。



日本は忘れていないか、世界を変える力があることを


 こうして既存の枠組みまで革新してしまうのか、それとも既存の枠組みの中で大人しく少しづつ改良を重ねるのかが、ひとつの大きな分かれ道になる。

 これは、どちらが正解ということではないかもしれない。前者は、往々にして強い向かい風に耐えながら進むいばらの道だからだ。しかし、だからこそやり遂げたときには人々に感動を与え、世の中を大きく動かす流れを作ることになる。この道は、世界を変えられると本当に信じている人たちこそがたどれる道だ。

 最近、日本の“もの作り”は、自分たちに世界を変える力があることを忘れてしまっている気がする。ぜひ、iPhoneの発売前までには、日本の中、1キャリアの狭い世界の中だけではなく、世界に通用する携帯電話づくりをする元気を取り戻して欲しい。


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