コメントの停止はシステムの問題だが…
── 以前にぎわっていたコメント欄ですが、2年ほど前から停止したままになっています。
佐藤 復活の要望をよく聞くんですが、単純にシステムが対応できないんですよ。2ちゃんねるのように定期的にDATファイルを吐き出せばやっていけると思うんですけど、MovableTypeはデータベース蓄積型なのでコメント数が毎記事100とか超えると、システムがあり得ない程重たくなるんです。今借りているサーバーもかなり性能が高いのですが、それでも追いつかない。
── コメント欄があった時代、管理人さんへの誹謗中傷もあったと思いますが、そういったことについては?
佐藤 僕に対する誹謗中傷は構わないというか、別に僕が我慢すればいいだけなんですけど、第三者や他サイトに対する誹謗中傷が入ってくるので大変でした。管理しきれないですけどね。
気付いた時には勝手にケンカしはじめて、こっちの人がこのコメント削除してくれ、とか、全然知らない人から文句がついたり。僕は記事を書いていきたいだけなんですけど、それ以外の手間が増え過ぎてしまうと本末転倒になります。一時期、違う人に頼んで削除してもらったこともあったんですけど、あまり手間が変わらなかったですね。
2ちゃんねるみたいにみんなが匿名で書き込めて、ノイズの中から真実を拾うみたいなよさもあると思うんですけど、X51.ORGはそういうのを求めていないんです。そういうふうになると面倒くさくなってくるんですよね。コメント欄の復活はシステム的に解決されればしたいと思いますが、僕のモチベーションの問題もからんできます。
個人運営の敵は“マンネリ”
── 興味本位だけで5年近くもサイトを運営していくには、そういった問題がなくても、かなりのモチベーションが必要な気がします。
佐藤 たしかに、長くやっていくとマンネリにはなってしまう。ニュースもだんだん過去にも見たなっていうのが増えていくじゃないですか。2000年近くに人気を集めた昔からのサイトは、会ったことないですけど、戦友みたいな感情があるんですが、次々に閉鎖していくのはすごく寂しいです。
普通に更新していくと、マンネリ化してきて、2〜3年で終わってしまうみたいですね。僕も自分のサイトに関して、自分なりに目指したところはひとまず越えたかなというのはあります。なので今年一年は、意識的にX51としてウェブ以外の活動を増やしました。テレビや紙媒体に浮気して、ネット以外の要素をサイトに還元出来ればいいなと。
例えば、UFOの事件が起きたっていうことはネットで報じることができますが、そこまでがネットでできることなんですよね。そこから検証しようってなると、今度はテレビの力のほうが強くなったりとか。紙のメディアだったらこういうことができるとか。違うメディアと組めば、新しい可能性が広がっていくかなと思っています。
現在はネット番組“X51.Files”をGyaoさんと作ったり、7月あたりに公開する予定で、Flashで有名な制作会社のバスキュールさんとコラボレーションして、新コンテンツの“X51.EARTH(仮題)”を開発しています。
── それでも、X51.ORGの運営は続けていきますか?
佐藤 そうですね。最後にはウェブに戻りたいと思っていますから。
筆者紹介──古田雄介
建設現場と葬儀業を経てデジタル&サブカルライターに転身。デジタルと言いつつ、“古田雄介の週末アキバPick UP!”(ITmedia)など、足で稼ぐ記事が多い。当連載では、大好きなサイトの管理人さんに直接会える喜びを堪能しています。自ブログは“古田雄介のブログ”。
*次回は7月9日掲載予定
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