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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第19回

美人すぎる理系アーティスト・スプツニ子さんはなぜ歌う?

2010年03月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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私の作品はウェブ上にしか存在していない

―― 音楽の話に戻ると、ライブ活動もされてますけど、そちらでの反応はどうですか?

スプ子 イギリス人、一緒に歌ってくれるよ! 「トゥウィンコゥ!」とか言って。超拍手して。

―― 意味分かってないんじゃないかなー?

スプ子 英語で説明するもん。「これは地球上の30億人の女性のための歌です」って。これと「Googleの歌」が人気なんですけど、なにかJ-POPとして見られているんですよね。おい、みんな間違ってるぞー! って感じなんですけど。

―― わははは。そう言えばMTVのブレイクムービーもやってますよね?

スプ子 その時の相棒で「スカイプのうた」のアニメーションを作ってくれた人は、その後大出世してリトルブーツのPVを全部作っているんですよ!

スカイプのうた

―― えー、それはすごい! スプツニ子さんもリトルブーツみたいになったりして。

スプ子 がんばるんだけどー!

―― それにしても「パラコンペ3000」は、すごいお金かかってませんか?

スプ子 いやー、それが全然。友達総動員で作ったんです。「ねえねえねえ、すっごく面白いんだけど、こういうの作らない?」って。

―― そうやって、すぐ人を巻き込んじゃうんですね。でも、その映像のほとんどはYouTubeで見られます。スプ子さんは「オープンポリシー」というのを掲げているんですよね。

スプ子 音楽をダウンロードさせないとか、ビデオを見せないとか、それって時代遅れなんじゃないかと思うんです。むしろネット上にあるからこそ、いろんな人に見てもらえて、いろんなチャンスが出てくる。

高音質の音源もLast.fmで聴ける

―― それでアーティストとしてのプレゼンスを確保していこうと。

スプ子 でも私、アーティストと呼ばれはするんですけど、展示をしたのは先月の大学院での展示が初めてだったんです。それまで私の作品はウェブ上にしか存在していなかったんです、芸術家なのに。

―― おお、なるほど。

スプ子 でも実際のモノを展示するより、その方が効果があるんです。だからギャラリーに属して、そこで作品を売って、ギャラリーに売上の半分を納めるというのは、どうなんだろうと。私は別の方法でお金を見つけなければならないんじゃないかと思っています。

―― それは最近の音楽の話にも近いところですよね。

スプ子 たとえばワークショップやレクチャーのような、物理空間でしかできないようなこととか。作品を作ってコミッションを貰うとか。Twitterで「ポスター売ります!」って言うと、直接買ってくれる人がいるんです。それはまつき君と同じように、面白さを実感しているところですけど、まだ答えは見えないですね。

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