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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第10回

ソロデビュー20周年記念・平沢進ロングインタビュー【前編】

「私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない」 本人に聞いてみた

2009年12月16日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ミュージシャン・平沢進氏(55)。10年前に「音楽業界」から離れ、自主配信の音楽というビジネスモデルの礎を作った

「間違えてないか? 私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない」

「マイナーで売ってるんだけど」

「平沢進というのは『な~に~? この音楽、きもちわるい』とか、そういう類だから。かわいくないから」

「友達減るから」

「私が『平沢唯』と書いたことにより、多くの皆様を誤った場所に導いてしまったことを深くお詫び申し上げますから」

「重ねてお詫び申し上げますから」

 (Twitterアカウント @hirasawa より抜粋)

 平沢進さんは日本を代表する電子音楽の作家であり、また高い表現力を持つボーカリストだ。1979年にテクノポップグループ「P-MODEL」でデビューし、1989年からソロ活動を開始。ブロードバンド環境が整い始める1999年には、メジャーとの契約を打ち切り、いち早くMP3でのダウンロード配信を始めるなど、現在のネット音楽シーンをリードしてきた人でもある。

 その彼がTwitterに登場するや否や、たちまち5桁のフォロワーを得て、Twitterセレブの仲間入りをしてしまった。今もフォローは1日200程度のペースで増え続けている。

 Twitterのアカウントを取ったのは「凝集する過去 - 還弦主義8760時間」というイベントのため。 P-MODELデビュー30周年、平沢進ソロデビュー20周年の節目に、過去の楽曲を1年かけてセルフカバーするという壮大な計画だ。その経過報告のために2つの公式アカウントと共に設定されている。※1

 彼にとっておそらく計算外だったのは、大ヒットしたアニメ「けいおん!」の影響だ。主人公「平沢唯」の名は、平沢進にちなんだものと言われている。フォローが殺到した理由には「平沢唯の元ネタ」として面白がられている側面もあるだろう※2。そこで彼曰く、

 「元ネタ」と呼ばれて生きる。それは私のせいじゃない。

 自身もツイートしているように、彼は「分かりにくくて不親切で憎たらしい」音楽家だ。なにしろフォロワーを「馬の骨」※3やら「有象無象」※4だのと罵り、そして「高品位粗食」※5を摂り、「Uターン通勤」※6を繰り返す、そんな日々を逐一報告しておきながら「ついてこないように」「こんな話おもしろいか?」などと突き離す。

 中には気分を害したフォロワーもいたはずだが、一種のTwitter芸として抜群に面白い。彼が何者かも知らぬまま、フォローしてしまう人が絶えない理由も分かる。この展開を当人はどう捉えているのか? でも彼はTwitterへのリプライには一切答えない。そしてTwitterを話のきっかけに、ぜひ訊いてみたいことがある。そこで我々は彼のいる茨城県つくば市へと向かったのである。

※1 2つの公式アカウント : 「凝集する過去 - 還弦主義8760時間」の公式アカウントと、平沢進/P-MODEL公式サイト「no room」の公式アカウントがある。

※2 「平沢唯の元ネタ」として : 画像共有サイト「pixiv」でも大人気だ。(pixivでの検索結果

※3 馬の骨 : 素性の知れないものを罵る「どこの馬の骨とも分からない」の、あの馬の骨。彼の事務所では今年の流行語大賞らしい。

※4 有象無象 : 「馬の骨」より頻度は低いが、やはり不特定多数を罵る目的でよく使われる。

※5 高品位粗食 : ベジタリアンで少食な平沢さんが摂取するメニューの総称。11月19日以降、同じものが「カス」とも呼ばれるようになったが、その理由は次回説明できるかも知れない。カスもまた事務所では今年の流行語大賞らしい。

※6 Uターン通勤 : 自宅へ出勤すること。たまに省略されることがある。

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