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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第35回

「スク水PV」出現のなぜ 日本のネット音楽が向かう先

2010年09月11日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 スクール水着の女の子と一緒に、エルビス・コステロを意識した風のエレキギター・ジャズマスターを抱えた男が踊っている。

 これは、主にボーカロイドの楽曲を制作していたキャプテンミライが、ソロとしてリリースした新曲「涸れ井戸スイミング」のPV。キヤノンのデジタル一眼カメラのムービー機能を利用し、制作費用3万円で制作されたものだ。しかし、商業音楽のPVと比較してもクオリティーに遜色はない。

 インディーロックシーンでの活動経験もあり、かつ映像作家でもある彼の本領発揮というところだが、「同じことは誰にでもできる」というのが彼の主張で、そのテストケースになることを目標にしたという。新曲とともにスタートさせたオンラインレーベル「バイバイレコード」もその1つだ。

 自分で歌い、実写PVを上げ、レーベルを作って、iTunesで売る……。いわゆる「ボカロP」の今後の進路を占う上でも重要ないくつかのチャレンジと、そこから振り返った現在のシーンについて聞いてみた。

キャプテンミライのレーベル「バイバイレコード」のwebサイト

見方を変えると面白い

―― いわゆる「ソロデビュー」になるんですけど、なぜ今なんでしょう?

キャプミラ すでに遊び場が提供されていることに気付いたからですね。もう一人でもできるんじゃないかと確信できたし、やったら面白いんじゃないかという、その衝動だけです。もちろん、これでボーカロイドを卒業したわけではないです。

―― どこで確信しましたか?

代表作「幻想論」もiTunesで配信中

キャプミラ やっぱりボーカロイドをやったのが大きいと思うんですよね。イベントでCDを売るという文化があるんだという発見から始まって、ボーカロイド関係でiTunesの配信もやって、個人でも簡単にできるんだというのが分かったし(iTunes Store)。それは普通にバンドをやっていたら気が付かなかったですね。

―― 今まで「ボカロP」と呼ばれていた人が、画面に出てきて歌うのは結構なチャレンジだと思うんですよ。

キャプミラ 僕はもともとバンドをやっていたし、顔が出てナンボの世界だから、そこには抵抗が無いんですよね。それに、やっていることは「歌ってみました」と変わらないんです。でも「アーティストが自分の歌を歌ってプロモーションビデオを作りました」と言うと、見え方まで違ってくる。「見方を変えると面白い」が今回のテーマなんですよ。

―― 第一弾のPVはなぜ「カレイドスイミング」のセルフカバーなんですか?

キャプミラ まずボーカロイドでやった曲なら、ボカロ界隈の人たちも入ってきやすい。もうひとつは「スクール水着を着ている女の子に踊ってもらう」というPVのアイディアがあったので。



―― ビデオをイメージしやすいからこの曲なんだろうな、とは思っていましたが。

キャプミラ そう。今回はビデオ先行で。個人でも安い値段で、ちゃんと作れるんだということを示したかったんです。それに曲が「スイミング」じゃないですか。だから夏のうちにやらないと、このネタは来年まで放置されることになってしまう。

―― 放っておくとやんないもんね。

キャプミラ やんないですね。そういう締切が自ずと設定されてしまう曲なので、やれたということもありますね。

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