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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第27回

ニコニコ世代の「アングラ」生んだ、ヒッキーPに聞く

2010年07月03日 12時00分更新

文● 四本淑三

ヒッキーP「DI」より

 ニコニコ動画で、いわゆる「アングラ系」と呼ばれる作家は数多い。中でも、ヒッキーPはかなり特殊なポジションにいる。極端に短い楽曲構成やノイズを多用した音作りは、一聴すると確かに実験的で、アンダーグラウンドの括りも肯けないわけではない。

 ただ、和声の使い方やメロディーラインは非常にポップで、決してアングラのためのアングラをやっているわけではない。少なくとも作曲技術的には、他の「メジャー」なボカロPと比較して劣るところはなく、むしろ実験的な構成であるところに何らかの意思を感じてしまうくらいだ。

 作風からは少々近づきがたい感じもあるが、我々の入手した情報によれば、様々な作家を発掘したことで有名な「VOCALOIDアンダーグラウンドカタログ」の初代編者はヒッキーPだったらしい。前回のこんぺいとうPを見出したのもこのカタログだ。

 作家の多くは自分の置かれた状況に自覚的だが、自分自身でシーンの組織化に向けて動くものは多くない。そして、アンダーグラウンドシーンを俯瞰できる立場にいるのは彼以外にいないだろう。ぜひその発想の源を知りたいと我々は考えた。

 ヒッキーPは秋田県在住で、大学を出たばかりの22歳。最初にアングラカタログを投稿したのは2年前。するとまだ彼はティーンエイジャーだったことになるのだが――。なお、例によって我々には秋田にまで行く予算がないため、Skypeでの取材となった。

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