推しの細胞がついた指輪を作ってもらった。
細胞採取からはじまって、ついに指輪が完成して受け取ることができたので、レポートしたい。
細胞をアクセサリーにする「PxCell Wear」
細胞をアクセサリーとして身につけられるようにしている川又龍人さんと知り合ったのがきっかけだ。
川又さんの細胞アクセサリーは、好きな人や大切な人の細胞を身につける、という意味合いで作られているそうだ。
川又さんはPxCellという会社を立ち上げ、細胞と技術を通して人の想いをつなげることを目指している。川又さん本人も婚約者さんの細胞を指輪にしているそうだ。
筆者には長年好きな、推し兼友人がいる。
「近衛りこ」というコスプレイヤーさんだ。
この連載でも、スクール水着を着せて全身3Dスキャンをしてフィギュアにしたり、萌え歯医者で歯をクリーニングしてもらったり、iPhoneのLiDARでスキャンして映像作品にしたりと、度々登場してもらっている。
近衛りこさんの細胞を指輪にして持ち歩けたら最高ではないか。
そこで、近衛さんに頼み込んだところなんと快諾いただけた。
「PxCell Wear」として近衛りこさんの細胞を持ち運べるのだ。
もちろん、近衛りこさんの「PxCell Wear」は筆者一人のものではない。グッズとしてファンの方に販売されるものだ。
今回はサンプルの一つとして制作していただいた。そんな指輪の制作過程を今回お伝えする。
筆者は生物や細胞の知識がてんで無く、曖昧な描写になってしまうことをあらかじめお詫びしたい。
細胞を採取して、シャーレ上で塊にする
まずは、「PxCell Wear」のデジタル証明書に使うデータを整える。
採取日やサインなどが記載されたデータが指輪とともに届けられる。
次に、細胞を採取する。
今回、口腔内の細胞を採取した。ほっぺたの裏側の細胞である。
綿棒のようなものでこすり取ることで採取していく。
ちなみに近衛りこさんは歯科衛生士でもあるので、口腔内についてとても詳しい。
今回使用した機材などについても、なんとなく親しみがあるようだった。
歯科の世界と細胞の世界は生物を扱うという点において繋がっているのかもしれない。
採取できた綿棒の細胞を液体のようなものに移動していく。
液体に移動した細胞を、遠心分離機を使ってケースの側面に移動させるらしい。
遠心分離機のスイッチは近衛さんに押してもらった。
この後の作業について筆者は知識が乏しくうまく説明できないが、側面についた細胞をまた移動して、冷やして、コラーゲンを入れて、シャーレの上で小さな塊にしていたっぽい。
細胞を移動させるときのガンみたいな器具(スポイト的な役割をしているのか?)がかっこよかった。
コラーゲンを入れると細胞が元気になる、とおっしゃっていたので、細胞を元気にして培養するんだろうな。
ちなみに、DNAは制作の過程で破壊されるそうだ。DNAは究極の個人情報だと思うので、グッズ販売するにあたっては安心。
やはり、「細胞」というものを精神的に持ち歩くアクセサリーということだろう。
これでその日の作業は完了。
ついに細胞付き指輪が完成
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