連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第256回
AI時代の高スキルIT技術者“争奪戦”/AIの成果創出に進む日本企業、障壁は/7割の企業で「AIの不具合」、安全性や財務の影響実態、ほか
日本企業の7割超が、セキュリティ・安全性・財務に影響する「AIの不具合」を経験/労務担当者の6割が「業務量増加」を実感
2026年11月02日 08時00分更新
[セキュリティ][AI] 日本企業の7割超が「AIの不具合」を経験、その3割が「セキュリティ侵害」につながる(BSIグループジャパン、10月27日)
・日本企業の7割超、セキュリティ/安全性/財務に影響する「AIの不具合」を経験
・その3割は「不具合によってセキュリティ侵害が生じた」と回答
・安全なAI利用の規格準拠方針策定、日本企業はグローバル平均より大きな遅れ
9カ国のビジネスリーダー1287人を対象とした「AIの不具合がもたらす損失とリスク」に関する調査レポートより。日本企業の74%(グローバル平均は75%)が、過去1年間に「セキュリティ/安全性/財務に影響するAIの不具合」を経験した。不具合を経験した日本企業の31%(同 30%)が、「不具合によってセキュリティ侵害が生じた」と回答している。AIガバナンスに関しては、「規格に準拠した安全なAI利用方針が整備されている」とした企業が60%(同 55%)に達した一方、それを「適切に実施できている」と回答した企業は35%(同 65%)にとどまるなど、認識と実際の取り組みにギャップも見られる。
⇒ 同レポートの経済モデル分析(Alma Economicsが実施)によると、こうしたAIの不具合によって、年間で市場収益の最大3.6%がリスクにさらされる可能性があるとのこと。企業に対しては、AIに対する適切なガバナンス、さらに不具合の報告/把握プロセスや、そこから学ぶ姿勢が求められると指摘しています。
[人事][働く] 労務担当者の6割が「業務量増加」を実感、対応策1位は「生成AI活用」(キヤノンマーケティングジャパン、10月28日)
・労務担当者の6割が「この1年間で業務量が増加」、背景は「問い合わせ増」「雇用/勤務形態の多様化」
・対応手段は「生成AI活用」が5割超でトップ、次に「労務管理システムの刷新/改善」
・人が対応すべきと考える業務は「従業員ごとの事情に応じた個別判断」がトップ
従業員1000名以上企業の労務担当者106名を対象にした業務負荷の実態調査より。従業員からの問い合わせ増加、雇用/勤務形態の複雑化を背景に、60.4%の労務担当者が過去1年間の「業務量の増加」を実感している。業務負荷増加への対策としては「生成AIの活用」(52.8%)や「労務管理システムの刷新・改善」(45.3%)が上位に挙がった。一方、AI時代になっても人でしか対応できない業務としては「従業員ごとの事情に応じた個別の判断」(55.7%)、「申請内容の漏れや誤りの確認」(42.5%)などが上がっている。
⇒ 人が対応すべき業務として「申請内容の漏れや誤りの確認」が上位に挙がっていますが、これなどは(最終確認は人が行うとしても)生成AIが得意とする業務のようにも思えます。それぞれの得意を生かした“人とAIの分業”による業務効率化を、さらに追求していく必要がありそうです。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第255回
ITトピック
上場企業Webサイトで見る、PHP/WordPressの更新実態/クラウドコスト「可視化」と「削減」にギャップ、ほか -
第254回
ITトピック
Webサイトのデータベースを狙う攻撃が顕著に増加/情シス担当の半数が転職意向、背後にある変化/AI業務活用、実態は“AIオペレーター”?、ほか -
第253回
ITトピック
AI利用が多い技術者ほど「自分でコードを書ける能力」も重視/世界の6割近くが「技術進歩が生活を破壊」と回答、ほか -
第252回
ITトピック
ITフリーランスの9割「AI時代への対策を実践」/内部不正が上場企業の約4割で発生/“静かな退職”に2つの類型を発見、ほか -
第251回
ITトピック
開発業務へのAI適用、「品質やROIの把握」は未成熟/10月義務化のカスハラ対策、遅れる現状/AI利用で「幸福感が向上」は2割未満、ほか -
第250回
ITトピック
IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか -
第249回
ITトピック
AI利用の多い技術者ほど「人間の責任」も意識/AI利用を隠すのは「手抜きと思われるのがイヤ」/AIが実行するサイバー攻撃が急増、ほか -
第248回
ITトピック
SaaSに代わりAIエージェント支える“AaaS”が台頭/議事録作成AIは「意思決定支援」へ進化/生成AIの顧客満足度・1位はClaude、ほか -
第247回
ITトピック
「原則出社」命じる企業とテレワーク社員の意識ギャップ/“推し活依存”自覚するZ世代が2割/シニアの利用が盛んな○○アプリ、ほか -
第246回
ITトピック
PC価格高騰で4割の企業が「調達を延期」/“謎のExcelマクロ”は業務継続リスク/日本のデジタル行政、利用率・満足度とも最低レベル、ほか - この連載の一覧へ










