Mr.ウォーカー玉置泰紀が厳選! おすすめスポット/アイテムベスト5 第36回

【決定版・関西の味覚狩りを満喫】10月に旬を迎える味覚狩りスポットベスト5! 関西エリアの豊かな自然で秋の味覚を堪能する

文●玉置泰紀(元角川アスキー総合研究所・エリアLOVEウォーカー総編集長、一般社団法人メタ観光推進機構理事)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

富有柿 奈良県産

 奈良に源を発し、吉野川から紀の川へと姿を変えて紀伊水道へと注ぐ一本の大河――。その流域は、日本の柿の生産量を支える「日本一の柿の川」として圧倒的な存在感を放っている。

 直近の農林水産省等の統計データでも、全国首位を堅持する和歌山県(約3〜4万トン規模で昭和54年から長年トップを維持)と、2位である奈良県がこの大流域に連なっており、関西の秋はまさにこの流域文化とともに実りの季節を迎えていく。

空撮 紀の川 和歌山

 爽やかな秋晴れの中、山あいの果樹園へと車を走らせ、五感をフルに使って自然の恵みをダイレクトに味わう「味覚狩り」は、この季節の行楽において最高のエンターテインメントだ。 今回は、10月にまさに旬を迎える極上の味覚に絞り、関西エリアでファミリー層の週末のお出かけニーズに応える、絶対に外せないスポットベスト5をお届けする。

秋の味覚狩りを楽しむ3つのポイント

旬の味覚をその場で味わう

 スーパーや店頭に並ぶものとは一味違う、枝からもぎ取り、イガから栗を拾い、株ごと黒枝豆を収穫するフレッシュな味わいは格別だ。渋柿を樹上で甘くする「紀の川柿」の技術は、京都大学の研究をもとに昭和50年代前半に和歌山県の試験場で実用化されたもの。関西の大学発の技術が、関西の柿を甘くしている。

家族みんなで体験する収穫の歓び

 自分の手で収穫するワクワク感や豊かな自然に触れる体験は、子どもたちにとって忘れられない素晴らしい思い出になる。ちなみに黒枝豆は、おせちの黒豆になる「丹波黒」を完熟前に収穫したもの。12月まで待てば黒豆、10月に摘めば枝豆という、同じ株から二度おいしい話は子どもたちにもきっと受けるはずだ。

秋のドライブと合わせて満喫する休日

 美味しい空気を吸いながら郊外の農園へと車を走らせよう。車窓には、400年以上前から農家が急斜面に石を積み上げて築いた有田の階段園や、吉野川から紀の川へと続く雄大な流域風景が広がる。関西ならではの歴史と文化が息づくドライブ旅をデザインしよう。

10月に旬を迎える味覚狩りおすすめベスト5

第5位:秋の数週間しか味わえない奇跡の味わい

兵庫県丹波篠山市「黒枝豆の収穫体験(10月上旬〜10月下旬)」

 日本農業遺産にも認定されている丹波篠山の黒大豆栽培。その秋の関西の味覚狩りといえば、何といっても「黒枝豆」だ。粒が大きくパンと張り詰めた枝豆は、10月上旬の解禁から下旬頃までのわずかな期間しか収穫できない極上のレア食材。お好みの株を自分で選んでハサミで収穫するワクワク感は、ファミリーやグループで盛り上がるお出かけにぴったりだ。

おすすめポイント:解禁直後は供給が限られ、中旬の週末は大混雑となるため、狙い目は中旬の平日か下旬だ。朝採れを塩茹でしたときの濃厚な甘みと香ばしさは、普通の枝豆よりも長く茹でることで一層引き立ち、一度食べたら忘れられない味わいとなる。城下町・篠山の散策とあわせて楽しむのがおすすめ。なお、お出かけ前に必ず営業状況をご確認いただきたい。

アクセス:舞鶴若狭自動車道「丹南篠山口IC」より市内各農園へ

行きやすさ:★★★★☆ 京阪神からのアクセスが良く、秋のドライブがてら気軽に立ち寄れる絶好のロケーション。

丹波篠山市公式観光情報(ぐるり!丹波篠山):https://tourism.sasayama.jp/

黒大豆(丹波黒) 発芽 少し伸びた 6月

丹波篠山黒枝豆

第4位:大阪の里山で秋の深まりを感じる贅沢なひととき

大阪府能勢町・豊能町エリア「栗拾い(秋の収穫後半戦)」

 大阪の北部に位置する豊かな里山・能勢や豊能エリアは、古くからの栗の産地。江戸時代から伝わり、品種別栽培面積で筑波に次ぐ全国2位(令和4年産)を誇る特産「銀寄(ぎんよせ)」をはじめとする栗の栽培が盛んだ。10月は木立の中で秋風を感じながらイガに包まれた大粒の実を拾い出す、収穫体験の後半戦を楽しめるシーズンとなっている(ピークがやや前半寄りのため、後半戦を狙う場合は早めの確認を)。

おすすめポイント:大阪市内から車で約1時間という好立地にありながら、まるで別世界のような豊かな自然と静寂に包まれて、のんびりと秋の収穫体験を満喫できる。本格的な秋の訪れを感じる里山の自然をたっぷり楽しもう。

アクセス:新名神高速道路「川西IC」より国道173号経由で能勢町内へ

行きやすさ:★★★★☆ 都会からアクセスの良い場所で、本格的な里山の秋景色と味覚狩りを同時に楽しめる。

道の駅 能勢(くりの郷):https://www.michinoeki-nose.jp/

自然豊かな栗の木の下で栗拾いを楽しむ女性と右側の広い余白(イメージ)

第3位:市町村別日本一の産地が誇る山あいの秋の味覚

奈良県五條市・西吉野エリア「柿狩り」

 大正時代の大寒波でみかんが大きな被害を受けた歴史を経て、現在では旧西吉野村を中心に市町村別で柿の生産量日本一を誇る五條市。ハウス柿の出荷量でも全国1位という先進産地としても知られている。10月上旬からは、山あいの気候が育んだ見事な柿畑が山肌を埋め尽くす圧巻の景観の中、収穫体験が本格的にスタートする。

おすすめポイント:もぎたての柿は持ち帰ってじっくり渋抜きをするか、農園によってはすでに渋抜き済みの柿を味わうこともできる。周囲には吉野川の清流が広がり、色づき始める山々を眺めながらのドライブ旅の目的地としても最高だ。

アクセス:京奈和自動車道「五條IC」より国道168号線経由で各農園へ

行きやすさ:★★★☆☆ 山あいの美しい景観を楽しみながら、ゆったりとしたドライブとともに訪れることができる。

五條市公式サイト(柿の里 西吉野町):https://www.city.gojo.lg.jp/soshiki/kankoshinko/3_2/2255.html

柿畑 柿農園 秋イメージ

第2位:一本の川がつなぐ、樹上で甘みを蓄えた特製柿

和歌山県紀の川市「柿狩り(紀の川柿・黒あま等)」

 奈良の吉野川から紀の川へと続く同じ川筋に位置し、和歌山県が長年守り続けている全国屈指の柿産地。紀の川市では、刀根早生や平核無(ひらたねなし)などの代表的な渋柿をベースに、樹上で一つずつ固形アルコール入りの袋をかぶせて渋を抜く「紀の川柿」(JA紀の里の愛称「黒あま」)が、10月中旬以降に出荷・味わえるシーズンを迎える。

おすすめポイント:果肉が黒砂糖のような色合いになり、抜群の甘さと深いコクが楽しめる。青空の下、赤く色づいた果樹園での収穫体験は写真映えも抜群だ(体験できる農園は限られるためJA紀の里関連も含めて事前予約・確認が必須)。

アクセス:京奈和自動車道「紀の川IC」または阪和自動車道「和歌山IC」経由

行きやすさ:★★★★☆ 高速道路からのアクセスがスムーズで、京阪神や南大阪からの日帰りドライブに最適。

和歌山県公式観光サイト(紀の川フルーツ観光局):https://www.kinokawa-dmo.com/

紀の川柿 persimmon 作成者:写し描く

第1位:温暖な紀州の太陽をいっぱいに浴びた柑橘王国へ

和歌山県有田市・有田川町・湯浅町エリア(有田)「みかん狩り」

 日本を代表するブランドみかんの産地として名高い「有田(ありだ)」エリア。400年以上前から農家が築いてきた急斜面の石積み階段園は、2025年8月に世界農業遺産(GIAHS)に認定された。太陽の光を燦々と浴びた有田みかんは、コクのある甘みと程よい酸味のバランスが絶品だ。10月中旬〜下旬からは、いよいよみかん狩りのシーズンが本格的に開幕する(農園により開始時期が異なるため要確認)。

おすすめポイント:鈴なりに実ったみかんを自分の手でクルッとひねってもぎ取り、その場で皮をむいて頬張る瞬間はみかん狩りならではの醍醐味。隣の下津地域の「蔵出しみかん」と合わせ、年内から年明けまでリレー出荷される深い歴史と知恵が息づいている。温暖な海風を感じながら秋の休日を過ごせる、文句なしの第1位だ!

アクセス:阪和自動車道「有田IC」より国道42号線および周辺農園へ

行きやすさ:★★★★★ ICからの導線が分かりやすく、数多くの農園が点在しているため、家族みんなで安心して計画的なドライブ旅が楽しめる。

KiiTravel(有田みかん狩り):https://www.kiitravel.com/ja/arida-mikan/

有田のミカン

有田みかん

編集後記:さあ、実りの秋のフィールドへ飛び出そう!

 今回のベスト5を並べてみると、ひとつの流れが見えてくる。

 丹波篠山の黒枝豆は、12月まで待てば正月の黒豆に。五條の柿は刀根早生から平核無、そして富有柿へとバトンをつなぎ、紀の川柿は11月中旬まで食べ頃が続く。有田のみかんは年内いっぱい、年が明ければ隣の下津の蔵出しみかんへ——。

 10月の味覚狩りは、関西の実りのリレーの「第一走者」に会いに行く旅でもあるのだ。 出かけるなら、軍手とトング、汚れてもいい靴(黒枝豆の畑は粘土質だ)、持ち帰り用の袋を忘れずに。今週末は家族や仲間とともに、関西の里山や果樹園へ繰り出してみよう。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

過去記事アーカイブ

2026年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
2025年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
02月
05月
11月
12月
2019年
05月
2018年
03月
2016年
01月
09月
11月
2015年
11月